誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる。Voicy精神科医Tomyきょうのひとことの“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】<br />ほとんどの人が見落としている…人生で絶対に起こることPhoto: Adobe Stock

人は必ず死ぬということ

古くは中国・秦の始皇帝が追い求め、多くの独裁者が「不老不死」を願いましたが、人は老い、いずれ死に至ります。「この世に絶対というものはない」と言われますが、人は絶対に死にます。致死率100%の生き物なのです。

生きていくうえで、この大前提を見落としがちなんです。すべてのものごとは、生きている間だけのもの。死んでしまえば、すべてがなくなる。もう無意味なものになるとさえ言えると思うんですね。

先回りするより“いまの自分”

ところが、そういうことを考えたこともなければ、ずっと手もとに残るかのように勘違いをする人もいるわけです。そうすると、“自分のもの”にこだわってしまいがちです。それが自分自身にとって快適なことならまだしも、そうでもないのに「手に入れたものを失いたくない」という思いだけで執着してしまうケースが多々あるような気がします。

人生はいずれ必ず終わりを迎えることがわかっているのに、自分が築き上げたものをひたすら管理し続けることで、時間が過ぎ去っていくことが有意義なのでしょうか。長期目線で先回りして考えることも大切かもしれませんが、ときには「いまの自分が快適かどうか」ということを優先すべきだと思うんです。

“手放す”という勇気

自分が大切だと思ってきたものが、ただの執着になった途端、今度は逆に自分の人生を阻害・妨害するものにかわってしまいます。そうなったら、思い切って築き上げたことをやめてみたり、人に渡してみたりして、手放すことを率先して考えてもいいと思うんです。

そうしないと、しがらみをつくって自分自身を束縛してしまい、楽しく生きようとする日々を阻害してしまう可能性があるからです。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。