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ミドル世代は、組織内での昇進・昇格の可能性が狭まってしまう、成長の伸びしろに限界を感じてしまう、などによってキャリアの“踊り場”に直面し、モチベーションが低下してしまうケースも多いのではないだろうか。ミドル世代がキャリア不安に陥ったとき、どのような考え方で自分のキャリアを見つめ直せば良いか、解説していこう。(一般社団法人プロティアン・キャリア協会代表理事 有山 徹)
コロナ禍やAIの進化が
漠然としたキャリア不安をあおる
「キャリア・プラトー」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
組織内で昇進・昇格の可能性が狭まってしまったと本人が感じることで、モチベーションの低下や能力開発機会の喪失に陥ることをいいます。
「プラトー(Plateau)」は「高原」または「台地」の意味で、ここではキャリアの発達がある程度の高みに達して、伸びしろのない停滞期にあることを表現しています。それ以上は上ることのできない平坦な台地、キャリアの踊り場というイメージでしょう。
日本では、バブルが崩壊する前までは、キャリアといえば社内での出世とほぼイコールでした。ですから、いわゆる出世コースに乗ればキャリアが開け、逆に管理職のポストを得られなければキャリアに悩むという、単純な図式だったと思います。
しかしバブル崩壊以後は、キャリアに対する考え方も多様化し、同時にキャリア・プラトーに陥る原因もさまざまになりました。
「出世はできるかもしれないが、それが本当に自分のやりたい仕事なのか」
「いくら評価されても、プライベートを犠牲にするのは嫌だ」
「責任ばかり大きくなって大して給料も増えないなら、管理職になりたくない」
などの理由で「このまま続けていいのか」「この会社にいるべきなのか」と漠然とした不安を覚えてしまうのです。
私も、40代を前にキャリア・プラトーに陥りました。社会に対して自分ができることは何か。本当にやりたいことは何か。それなりに仕事はできるようになったかもしれないが、このまま続けていいのだろうか。そう考えた末に選んだ道が、私の場合は起業でした。
仕事を覚えて周りが見えてくると、今の立ち位置では自身の成長イメージが持てなくなる。これはミドル世代の多くの人が経験することではないでしょうか。
若いころはがむしゃらに働き、覚えることばかりで成長の実感があります。ところが、ある程度の経験を積むと自己成長を感じる機会が減るとともに、自分の伸びしろや、組織内でのポジション、昇進の可能性もある程度見えてしまいます。
そんな中で、なお意欲的に働く同期や、転職や独立に果敢にチャレンジしていく同僚の姿を見ると、「自分はこれでいいのか」「やりたいことを探さないといけないのでは」とますます悩んでしまう。これが典型的なキャリア・プラトーです。
さらに、コロナ禍を受けて、ビジネスの環境が大きく動き出しています。テレワークの普及や副業の解禁で、キャリアの選択肢は増えました。また、2023年に入ってからのAIの進化はすさまじく、仕事のやり方が数年でまるっきり変わってしまうと思えるほどです。時代の流れに対して自分自身を適応させていくことができるのか、ビジネスパーソンの不安はさらに増していくことも考えられます。
真面目で優秀な人が
キャリア・プラトーに陥りやすいワケ
実は、実直に仕事に取り組んできた生真面目な人ほど、キャリア・プラトーに陥りやすい面があります。いい学校へ行き、いい会社に入り、与えられた仕事をしっかりと全うして結果を出す。それが会社員にとっての、ごくスタンダードなレールでした。
しかしそれは、キャリアが組織(会社)に握られてしまっている状態でもあります。会社の都合や評価で個人のキャリアが決まってしまうのです。
そのため、時代や環境の変化で会社が揺らぐと、個人のキャリアも揺らぎます。レールの先にあるはずだったポストが突然なくなったり、逆に今までなかったはずの別のレールが現れたり…。こうなると、会社にキャリアを握られていた人はどうしていいかわからなくなります。
本来キャリアは個人が考えるものであり、自分で主体的にハンドリングするのが「キャリア・オーナーシップ」の考え方です。しかし組織にキャリアを握られていると、急に「やりたいことをやろう」「自分らしく生きよう」と言われても、かえって悩んでしまうのです。
従来型のビジネススタイルでは、「キャリアのミッション=所属している組織(会社など)の評価」でしたが、これからは自分のキャリアのミッションは自分がやりたいこと、社会に対して取り組みたいこと、そのものになります。
誰かに握られた、あるいは誰かに依存したキャリアではなく、「自分の人生の経営者」として自律したキャリアを目指すことこそが「キャリア・オーナーシップ」です。
では、どうすればキャリアの主導権を取り戻すことができるのでしょうか。








