「会社で認められない」と悩む中高年、アドラー心理学3つの対処法が救う写真はイメージです Photo:PIXTA

組織の中核を担う中で、苦労も多い中高年世代のビジネスパーソン。そんな中高年世代こそ、メンタルへルスの整え方やコミュニケーション術を学ぶことが大切です。ベストセラー『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』(岸見一郎・古賀史健共著)でも注目された「アドラー心理学」をベースに、会社で無理をしすぎない、組織で生きやすくなる思考法をお伝えします。(エムステージ取締役 産業保健事業部長 歌代 敦)

認められない苦しさを抱える中高年

 中間管理職として現場の調整役に奔走することも多いこの年代は、組織におけるストレスを最も受けやすいといえます。上司のサポートや部下の育成をしながら、自分の成果も求められるプレイングマネジャーであることも。多くの役割を担う中で上からも下からも突き上げられ、終わらない業務を必死に片付ける日々が続く中で、「自分は誰からも評価されていない」「会社に必要とされていない」といった、「認められない苦しさ(=承認欲求)」を抱えやすくなります。

 この「承認欲求」を否定し、「自分の存在意義を他人に求めない」ことを提唱しているのがアドラー心理学です。アドラーは、あなたはあなたを生きているのであって、「自分がどうしたいか」が重要であり、そこに他者からの承認など必要ない、と言います。

 他者の承認を求め、他者の評価ばかりを気にすることは苦しく不自由です。「それでは自分の人生ではなく、他者の人生を生きることになる」というアドラーの言葉も、頭では理解ができるはずでしょう。しかしそれでも、人間はそう簡単に承認欲求を手放すことは難しいものです。

 繰り返しますが、あなたは他者の期待を満たすために生きているのではありません。それでは、いったいどうやって、「承認欲求」を否定し、「自分の存在意義を他人に求めない」ことを実践すればいいのでしょうか。

 次ページ以降、すぐに取り組める3つの具体的な方法をお伝えします。中高年こそ、会社で無理をしすぎない、組織で生きやすくなる思考法を習得してください。