ロシア経済は今年、1%のプラス成長に持ち直すとJPモルガン・チェースは予想した。一方、経済協力開発機構(OECD)は、2.5%のマイナス成長だという。この二つの数字を両極として、複数の金融機関がまちまちの予想を示している。これはロシアの経済状態を調査するうえでエコノミストが直面する難題を物語っている。
2022年2月のウクライナ侵攻から数カ月の間、ロシア政府は主要な経済データの一部(銀行や石油、政府債務など)共有を停止した。エコノミストは従来とは異なるデータを入手し、それを分析して仮説を立てるしかなかった。
ロシアは戦争初期以来となる主要指標の公表を部分的に始めており、視界の悪さはやや改善されている。輸出入に加え、外貨準備を構成する金に関するデータや、銀行セクターの収益性、資本状況、流動性といった重要な指標の一部についてロシアは公表を再開した。