近年、「頭の回転の速さの象徴」としてお笑い芸人が多くの場面で活躍をしている。そんなあらゆるジャンルで活躍をし続けるお笑い芸人たちをこれまで30年間指導し、NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』でも話題になった伝説のお笑い講師・本多正識氏による『1秒で答えをつくる力 お笑い芸人が学ぶ「切り返し」のプロになる48の技術』が発刊された。ナインティナインや中川家、キングコング、かまいたちなど今をときめく芸人たちがその門を叩いてきた「NSC(吉本総合芸能学院)」で本多氏が教えてきた内容をビジネスパーソン向けにアレンジした『1秒で答えをつくる力 お笑い芸人が学ぶ「切り返し」のプロになる48の技術』より、本文の一部を抜粋・再編集してお届けする。
知的な人が話すときにやっているたった1つのこと
話す言葉は1文字でも少ない方が聞き手の反応も速く返ってきます。これは『M-1グランプリ』や『キングオブコント』など、大きな賞レースに参加するお笑い芸人に必ず教えることです。
言われてみれば当たり前のことですが、わかっているのと実践するのとではまったく別の話です。限られた時間のなかで「この人たちおもしろいかも」と最初に思ってもらうまでの時間が長いと正直優勝は難しいでしょう。これまでの『M-1グランプリ』の優勝者を見ると「つかみ」を含む最初のボケまでは平均して6秒でした。
つまり、ダラダラと話をしている暇はなく、最短で笑いを取りにいかなければいけません。これは日常会話においても共通する部分があると感じています。相手が忙しい人であればあるほど、ゆっくりと話している暇はありません。ですが、結論だけ伝えるのではこちらの意図が上手く伝わらない。そんな経験が皆さんにもたくさんあるのではないでしょうか。
自分の考えていることを短く正確に伝えるのは自分の頭のなかにある情報のおいしいところだけを取り出す作業ですから、そのことを短い時間で行うというのは、紛れもなく、頭の回転が速いということのひとつの形です。伝えることはそのままに、言葉を短くするというのは明確な技術です。
ですから、結論は一言で伝え、理由や原因は5秒以内にまとめるようにしましょう。これで6秒以内に完璧に情報を伝えることができます。
最初は難しいと思いますが意識しているうちにできるようになりますので、ぜひ試してみてください。