米銀大手の四半期決算は好調だったが、業界を取り巻く情勢が変わるわけではない。シリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻を発端とする銀行危機にもかかわらず、JPモルガン・チェースなどの米銀大手4行が14日発表した1-3月期(第1四半期)決算は軒並み大幅増益となった。前年同期より大きな利益をもたらした要因は銀行危機と同じく、金利上昇だった。SVBのような銀行は金利上昇で預金コストが膨らんだ一方、保有債券の価値が下がって資金繰りが悪化し、預金の取り付け騒ぎに発展した。だが大手行は個人・法人向け融資事業の規模が大きく、金利上昇と融資の伸びはクレジットカードローンの金利を含めた金利収入を大きく押し上げた。それでも金利上昇がもたらす圧力がなくなることはなく、一部の地銀や中小銀行にはメガバンクよりはるかに大きな課題となる。
米銀、警戒まだ解除できず
激しい預金争奪戦は続く見通し
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