3月21日、会談のためにロシアのモスクワを訪れる習近平国家主席3月21日、会談のためにロシアのモスクワを訪れる習近平国家主席 Photo:Contributor/gettyimages

「5年に1度の過渡期」を経て
本格始動した習近平第3次政権

 全国人民代表大会が3月13日に閉幕、国・政府・軍の新人事が決定し、昨秋の第20回党大会の流れを受けて、習近平第3次政権が正式に発足・始動して、約1カ月が経過した。

 5年に1度の党大会から翌年3月の全人代までの期間は、政権人事という意味で「5年に1度の過渡期」を意味する。この期間、中国を取り巻く内外の情勢は目まぐるしく変化した。

 党大会閉幕から1カ月後、新疆ウイグル自治区での火災事件がきっかけとなり、習近平政権が過去3年間堅持してきた「ゼロコロナ」策への不満が爆発。「習近平退陣!」といったスローガンまで飛び出した。

 これを機に、党指導部はゼロコロナを実質撤廃する方向にかじを切る。2023年は感染を「禁止」するゼロコロナ禍から、感染を「要求」するフルコロナ禍への移行する形でスタートした。

 国内におけるあらゆる規制だけでなく、国境のリオープンも実施された。中国政府は経済、および対外関係・交流の正常化、活性化をもくろんだ。習近平第3次政権本格始動後の1カ月は、そういう雰囲気の真っただ中にあったといえる。