ほとんどの人がパソコン仕事で使っている「マウス」。この「マウス」が業務効率を悪くしていると聞いたら驚くだろうか。ベストセラー『脱マウス最速仕事術』の著者・森新氏は、多くの時間のロスを生む”マウス依存”から脱却するメソッドを確立、キーボードだけでほとんどの業務を完結させ「年間120時間の時短」に成功した。書籍のなかには、マウスへの依存度を段階的に減らし、仕事をサクッと終わらせるノウハウが紹介されている。読者から「もっと早くこの方法を知っていたら」という声が続出するほど、実践的なスゴ技が満載。本稿では、本書より一部を抜粋・編集して、「いかにマウスの使用がムダな時間を生み出しているか」を紹介していく。(構成:長沼良和)
ショートカットキーの効果的な覚え方
ショートカットキーを覚える際に、本やウェブサイトを参考にしてどのキーを押すかを「単純暗記」することはおすすめできない。
多くの人がショートカットキーの学習に挫折する原因がここにある。
ショートカットキーは、アプリケーションの開発者によって設定されるため、同じ機能でもアプリケーションごとに使用されるキーが異なる場合がある。
そうなると、アプリごとのキーのリストを覚えることが最適だと思われるかもしれない。
しかし、実際には開発者が異なっても、ある程度共通するキーやパターンがあるので、それらを最初に覚えることが効率的だ。
ここではショートカットキーのベースになる「母体キー」の使用パターンを紹介しよう。
ほとんど使われることのない「母体キー」
ショートカットキーを覚えることは、パソコンを使う上で非常に有用なスキルである。
しかし、初めてショートカットキーを学ぶ人にとっては、今までほとんど使ったことのないキーを使う必要があるため、戸惑うことがあるかもしれない。
具体的に言うと、[Ctrl][Windows][Alt]といったキーである。マウスを使ってパソコン操作をしていたら、ほとんど使わないキーだ。
これらを、本書ではショートカットで組み合わせるための「母体キー」と呼んでいる。
[Ctrl][Windows][Alt]は使用パターンで理解する
ショートカットキーは、母体キーとアルファベットキー、数字キーとの組み合わせで構成されている。
たとえば、テキストをコピーするショートカットキーは、「[Ctrl]と[C]」を同時に押すことで実行される。同様に、ペーストをするショートカットキーは、「[Ctrl]と[V]」を同時に押す。
これらのショートカットキーは非常によく使うので、覚えるのは簡単だ。
ところが、もっと多くのショートカットキーを覚えようとすると、どの母体キーを押すべきなのかがわからなくなってくる。
このような混乱を避けるためには、それぞれの母体キーの使用パターンを理解することが重要である。
キーボードの「奥に隠れた機能」を引き出すためのキー。よく使う「コピー&ペースト」も「C」や「V」を押すが、それが「コピー」だとか「ペースト」だなんてどこにも書いていない。つまり、奥に隠れた機能として「コピー」や「ペースト」が存在している。この隠れた機能を引き出すために「Ctrlキー」を使う。また、[Ctrl]は主に最前面に表示されているアプリで使う点も注意点だ。(奥に隠れた機能については、本記事内に掲載した「ショートカットキーMAP」を参考にしていただきたい)
[Windows]キー
使用中のアプリとは関係なくWindows全体を操作するときに使う。たとえば、デスクトップを表示させるためのショートカットキーに[Windows]+[D]がある。これは前面にどんなアプリやフォルダを開いていても関係なくすべてを閉じて、デスクトップを表示してくれる。[Windows]は、単体で押すと、スタートメニューが表示される。
[Alt]キー
[Alt]は「Alternative」の略。「代替手段」の意味通り、普段使っているキーを別の役割に代替させる機能がある。Excelで[Ctrl]+[H]を押すと、「検索と置換」の「置換」タブが開いた状態で表示される。すると下の図の通り、すべてのボタンにカッコつきのアルファベットが表示されていることに気が付くだろう。たとえば、この時に[Alt]+[T]を押すと「オプション(T)」を押すことができる。
ショートカットキーは使用パターンで覚えよう
ショートカットキーは暗記するのではなく、[Ctrl][Windows][Alt]の使用パターンを理解すれば比較的簡単に覚えられる。
ショートカットキーを駆使すれば、マウスを使うよりもパソコンを効率的に操作できるので、仕事の時短につながる。
特にパソコンを長時間使用する場合、マウスを使うよりもキーボードを使った操作の方が右手の負担が少なく、疲れにくいというメリットもある。
ショートカットキーは初めのうちは覚えにくいかもしれないが、使用パターンを理解して繰り返し使えば自然と覚えられるので、是非活用してほしい。