「中学受験後も燃え尽きない子」の親が繰り返しかけている言葉とは写真はイメージです Photo:PIXTA

実は、「五月病」は子どもにも起こりえます。特に厳しい中学受験をくぐり抜けた子どもほど、入学後にも続く競争に心が折れ、連休が明ける5月頃から“燃え尽き状態”になりやすいのです。しかし、「予防法」は存在します。今回は家庭で簡単にできる「燃え尽き予防法」を、5000人以上のバイリンガルを指導してきた経験から解説します。(TLC for Kids代表 船津 徹)

優秀でがんばる子どもほど
中学受験後に「燃え尽き」やすい

 日本の都市部を中心に、中学受験が過熱しています。中学受験の勉強を始める小学3〜4年生の子どもは、まだ自分で人生の大きな選択をすることが難しい年齢です。当然、中学受験に挑戦するかどうか、また志願校の選択についても「親の希望が優先する」ことが多いのではないかと思います。

 子どもが自分の意思で中学受験に挑むのでしたらいいのですが、親から言われて、あるいはクラスの友だちが受験するからという他人本位の理由で受験をすると「燃え尽き症候群」に陥りやすいので、注意が必要です。

 一生懸命勉強して志望校に合格したものの、さらに激化する競争や難易度が上がる授業に心が折れてしまう。また、苦しい受験勉強が終わったことで緊張の糸がプツリと切れて、勉強に対する「やる気」をなくしてしまう。このような状態を「燃え尽き症候群」と呼びます。

 難関といわれる中学校に進学すると、クラスメートの誰もが小学校で成績トップクラスにあった優秀な子どもです。勉強が得意なことが誇りだったのに、中学に上がると授業についていくのが精いっぱい、頑張っても良い成績がとれないという「挫折」を経験するのです。

 ここで、「挫折なら誰でも経験するし、放っておいても大丈夫では」と思った方は要注意です。この燃え尽きを放っておくと大人になってからの人生にも影響します。

 そもそも、この燃え尽き現象には「教育熱心な親」と「素直で頑張り屋さんな子ども」ほどハマりやすい厄介な落とし穴があるのです。