TOEFLテストやIELTSといった試験のために英単語を学びつつ、同時に教養が身についたとしたら、タイパのよい学びだろう。とくに一般的な知識として知っておきたいのが世界史である。書籍『世界史で学ぶ教養の英単語』は、歴史上の人物、出来事、宗教など150テーマを取り上げて、わかりやすい英文と対訳で記述した。高校の世界史で学ぶ内容を英語で詳しく知ることができるうえ、英文ではTOEFLテスト、IELTSで重要語として過去20年で3回以上登場した単語を、テーマにからめて学べる。知っているようで知らない世界史を、重要英単語とともに連載5回にわたり紹介する。

【世界史で学ぶ英単語】ノーベル賞を二度受賞した化学者Marie Curie――実は娘夫婦もノーベル賞を受賞していた

ウラン放射能の研究でラジウムを発見したMarie Curieは
研究のため放射線を浴び続けて重い病気になった

Marie Curie was a Polish-born, French-naturalized physicist and chemist. Born in Warsaw in 1867, she went to Paris in 1891 to study at the University of the Sorbonne. In 1895, she married the physicist Pierre Curie. They studied uranium radiation in a grim shed, and discovered radium in 1898. They won the Nobel Prize in Physics in 1903.

マリー・キュリーはポーランド生まれでフランスに帰化した物理学者、化学者である。1867年のワルシャワに生まれた彼女は、1891年にパリに行き、ソルボンヌ大学に学んだ。1895年に物理学者のピエール・キュリーと結婚した。二人は薄暗い倉庫でウランの放射能を研究し、1898年にラジウムを発見した。夫妻は1903年にノーベル物理学賞を受賞した。

Pierre died in 1906, crushed by a wagon when he tried to cross a road crowded with trams and cars. Despite this misfortune, Marie developed a way of measuring the purity of radium preparations, and received the Nobel Prize in Chemistry in 1911, thus becoming the first person ever to receive the Nobel Prize twice. It was unknown then that radiation damages the bone marrow. Taken seriously ill from years of being exposed to radiation, Marie died in 1934. The following year, her daughter Irene and Ireneʼs husband Frédéric Joliot were also awarded the Nobel Prize in Chemistry.

1906年、ピエールが亡くなった。電車や車が行き交う道路を横切ろうとして、荷馬車にひかれたのだった。不幸にもめげず、マリーはラジウム製品の純度を測る方法を案出して、1911年にノーベル化学賞を受賞し、ノーベル賞を二度受賞した初の人物になった。当時は放射線が骨髄を損傷することが分かっていなかった。長年放射線を浴び続けたため重い病気にかかったマリーは、1934年に死去した。翌年、娘のイレーヌとその夫のフレデリック・ジョリオもノーベル化学賞を受賞した。

(TOEFLテスト、IELTS頻出の重要英単語)
naturalize
帰化させる
radiation
放射エネルギー,放射線,放射能
grim
険しい,薄暗い,不快な
shed
小屋,物置,倉庫
wagon
荷馬車
tram
路面電車,市街電車,市電
misfortune
不運,不幸,逆境
purity
清らかさ,純潔,純度
marrow
髄,骨髄