
吹き荒れる自民党内の「石破降ろし」にさらされ、四面楚歌といえる首相の石破茂に“援軍”が現れたのかもしれない。8月12日夜に放送されたNHKの世論調査だ。党内の空気を変える可能性を秘めているからだ。調査は9日から3日間行われた。これは8日に自民党の両院議員総会が開かれ、総裁選の前倒しの是非について総裁選管理委員会(委員長逢沢一郎)がその是非を検討することになった直後のタイミングだった。石破にとって最も厳しい状況にあったといっていい。
調査結果は内閣支持率が7ポイントアップの38%。参院選前の水準に戻った。不支持率は依然として支持率を上回る45%だが、こちらは8ポイントダウン。注目された「石破続投の賛否」への回答では「賛成」が49%、「反対」が40%。さらに自民党支持層では69%が「賛成」の意思を示したのだった。
この傾向は朝日新聞、毎日新聞、日経新聞の主要3紙や時事通信の調査でも示された。石破は激しい突き上げを受けた7月28日の議員懇談会後、自らの進退についてこう語った。
「国民世論とわが党の考え方が一致することが大事だ。そういうことも踏まえて判断したい」
石破には心のどこかで党内の空気と国民世論との落差を期待も込めて予想していたところがあったのだろう。