2023年春闘における定期昇給相当込みの賃上げ率

春闘での大幅ベアで高まるインフレの持続性、世界景気後退がリスク2023年春闘における定期昇給相当込みの賃上げ率 *日本労働組合総連合会(連合)による2023年4月11日時点の回答集計結果

 春闘での賃上げ率が大幅に高まりそうだ。日本労働組合総連合会(連合)が集計した定期昇給相当込みの賃上げ率は、2023年4月11日時点で3.69%となった。30年ぶりの高水準だ。記録的な物価高や労働需給の逼迫などを背景に、中小企業でも2%を超えるベースアップ(ベア)率での妥結が相次いだ。

 大企業の製造業などでは円安が追い風となり、経常利益が拡大した。一方、中小企業では投入コストの上昇の影響が大きく、減益となったところも多い。それでも中小企業で大幅なベアが実施されるのは、大企業よりも人手不足が深刻で、処遇を改善する必要性が大きかったためとみられる。