春闘の好調を生んだ「22年特有の現象」、全体の持続的賃上げは望み薄今春闘で3%を超える賃上げが実現しても、経済全体の賃上げ率はそれより低くなる(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「満額回答」を喜んでいいのか
法人企業統計で浮き彫りの「真実」

 今年の春闘では、自動車、電機などの集中回答「満額回答」が相次ぐなど、大企業では順調な賃上げが続いている。

 しかし、これが中小企業に波及するのは難しいのではないかとの見方がある。

 また、今年の春闘で大幅な賃上げが実現しても、来年以降も持続することは難しいのではないか、つまり恒常的な賃上げには結び付かないのではないかとの見方もある。

 これらの見通しは、正しいと思われる。

 法人企業統計調査の2022年10~12月分が公表されたので、22年全体の企業の粗利益や賃金などの姿を見ることが可能になった。

 その分析からは、今後も賃金問題が日本経済の最大のアキレス腱だとわかる。