働きながら3年で、9つの資格に独学合格! 大量に覚えて、絶対忘れないノウハウとは?
「忘れる前に思い出す」最強のしくみ、「大量記憶表」を公開!
本連載の著者は棚田健大郎氏。1年間必死に勉強したにもかかわらず、宅建試験に落ちたことをきっかけに、「自分のように勉強が苦手な人向けの方法を編み出そう」と一念発起。苦労の末に「勉強することを小分けにし、計画的に復習する」しくみ、大量記憶表を発明します。棚田氏の勉強メソッドをまとめた書籍、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』の刊行を記念して、寄稿記事を公開します。

【入社して1週間、もう辞めたい】不安なあなたに送る「たった1つのアドバイス」Photo: Adobe Stock

「会社を辞めたい」と思ったあなたへ

 私のYouTube動画の視聴者より、次のようなコメントが寄せられました。

「宅建に合格し、宅建士の肩書はありますが、業界未経験の30代後半です。まだ入社1週間ですが、賃貸物件のプレゼンや電話対応ができません。会社を辞めようかどうか迷っております」

 こうしたコメントはとてもたくさんいただきます。

 私は、履歴書に書けないぐらい転職を繰り返してきたので、お気持ちはすごくわかります。

最初は誰だって大変

 まず申し上げたいのは「入社1週間は一番大変な時期」ということです。

「賃貸物件のプレゼンや電話対応ができません」ということですが、まともにできるようになるには、最低でも1か月以上かかります。

 不動産営業はそんなに簡単ではありません。覚えることが非常に多いからです。

 私はこれまで広告代理店や人材派遣会社やラーメン店など、いろんなところで働いた経験があるんですが、不動産営業は覚えることがダントツに多いです。

 不動産営業時代、面接をしたこともあるのですが、採用の立場から正直に言わせていただきますと、不動産業界未経験者を「即戦力」として期待しておりません。もし期待している会社があったとしても、それは無理です。

会社があなたに求めていること

 何よりまず、不動産業界未経験者に求めているのは「すぐ辞めない」ということ。これだけです。

 宅建を勉強していればわかると思いますが、不動産会社というのはダントツで他の業界よりも覚えることが多いです。けれども実務では、その宅建で勉強したこと以外にもいろんなことを覚えて経験していく必要があります。

 未経験者を採用した不動産会社の上司が気にしているのは、「契約が取れるかどうか」ではなく、「この人は契約が取れなくても、わからないことが多くても、不安が多くても、それでも諦めずに会社を続けられる人なのか」を見ています。

 せっかくいろんなことを教えたとしてもすぐにやめられたら、本当に大変です。教える側も最初は大変なんです。未経験者の方ですから、急に全部は教えられません。ゆっくり徐々に覚えていってもらうしかありません。

 不動産営業は、1から10まで教えてさあスタートの世界ではありません。何年もかけて覚えていく。そういう世界です。

 私自身、広告代理店で数年勤務したことがありますが、1年間もやれば、知らないことはほぼなくなりました。対して不動産業界は、5年以上勤務していたとしても、わからないことだらけです。やったことはない手続やトラブルがたくさん発生します。とても奥が深くて、裏を返すと面白い世界です。

 この質問者さんは、その入り口にまだ立ったところなので全然焦る必要はありません。では最後に、「入社1週間で辞めてはいけない」最大の理由をお伝えします。