過度の引き締めを回避
4%前後の名目成長率維持
インフレ抑制と金融不安沈静化の難しいかじ取りを迫られているFRB(米連邦準備制度理事会)は、5月2~3日のFOMC(連邦公開市場委員会)で、0.25%の利上げを決める見通しだ。
利上げは今回で打ち止めの可能性が高く、FRBは2023年後半から24年前半にかけて、浅い景気後退になることは覚悟しつつも、過度の引き締めは避けることで、2年程度は物価目標を上回るインフレ率を容認、4%前後の名目成長を維持し、「ハードランディング(深い不況)」は避けることを目指している。
しかしこの「軟着陸シナリオ」に死角はないのか。
懸念されるのは、預金流出は止まったものの、金融機関の貸し出しが慎重になり、商業用不動産市場に不安が波及したり、労働市場の過熱が収まらなかったりすることだ。
銀行不安は対応できると判断
足元のインフレ圧力に小幅利上げ
米国景気は、2023年の年初に、個人消費や雇用関連などの指標が予想と比べて上振れて始まり、金融市場ではFRBの引き締め強化が意識される中で米長期金利も大きく反転上昇した。
しかし、思わぬ形で金融不安が再燃することになった。