2023年春の大型連休は遠出する!という人も多いだろう。そんな時に心配なのが、「渋滞」だ。そこで今回、「高速道路の渋滞発生予測」をランキング形式で紹介する。特に長い渋滞が起こりそうな区間では、一般道の迂回(うかい)ルートも伝授しよう。(ライター 宮武和多哉)
都内の高井戸からもう渋滞…
2023年のゴールデンウイーク(GW)は、コロナ禍の影響が残っていた昨年より、飛躍的に出かける人が増えるだろう。3月29日にNEXCO東日本・中日本・西日本とJB本四高速、日本道路交通情報センターが発表した「ゴールデンウィーク期間の高速道路における渋滞予測について」では、10km以上の渋滞回数が上下線合計356回(4月28日~5月7日)、昨年のGWよりも2.5割増しで発生すると予想している。
この記事では、前述の発表を基に、ピーク時の渋滞の長さで順位付けした「道路名」および「渋滞発生区間」などを、ランキング形式で紹介する。また、特に長い渋滞が起こりそうな区間では、回避方法や一般道の迂回(うかい)ルートも伝授しよう。
それではまず、「下り」から見てみよう。
下りの1位は、中央自動車道の高井戸インターチェンジ(IC)から相模湖IC間だ。
ピーク時の渋滞長は45km。通常なら約35分で通過できる区間が、なんと約2時間15分もかかる予測だ。5月3日(水曜日)5時頃がピークの見込みである。
中央道は、相模湖の北側で大きなカーブを2度描く。かつ2kmほどのわずかな区間で上り勾配と下り勾配が続く。クルマはカーブ+「サグ」(下り坂から上り坂の転換点)で急激にスピードを落とさざるを得ず、相模湖IC付近を先頭とする渋滞は、元八王子、日野、稲城IC付近のカーブなどの小規模な渋滞スポットと合体して数十kmに及ぶ渋滞となり、都内にまで伸びる。
渋滞が起こるもう一つの要因は、相模湖エリアの観光客の多さにある。5月~11月は観光客で賑わうこのエリアには、いわゆるサンデードライバーが多い。運転に慣れないこともあり、カーブとサグが連続する相模湖IC手前では、どうしてもスピードを落としてしまう。
なお、渋滞の終点としてアナウンスされる高井戸ICは「中央道の終点」というだけで、連休や事故発生の際は、その先の首都高4号・新宿線まで渋滞がつながっているため注意が必要だ。
さて、渋滞を回避する方法はあるのだろうか? NEXCO中日本では、5月3日は高井戸ICを4時よりも前、もしくは17時以降に通過する場合の所要時を約35分と予測していて、これらの時間帯の利用をすすめている。
中央道に並行して、一般道の甲州街道(国道20号)があるものの、もともとの交通量がきわめて多く、バイパスの役目を果たさない。事故による通行止めの際は、圏央道の相模原ICから「道志みち」(神奈川・山梨県、国道413号)に抜けるドライバーもいるが、かなりの山岳道路である。
相模湖IC付近は、東京と山梨県境の山間部にある“ボトルネック”(ここでは、スムーズな車両の流れを妨げる区間の意)ともいえる。ルートの選択肢はもとより少ない。おとなしく渋滞区間の通過を待つしかないだろう。
さて、次ページでは「上り」のランキングを見てみよう。