4月25日の時点で、打撃成績の上位5位までを早稲田が独占している。
1位熊田任洋(.533)、2位尾瀬雄大(.526)、3位印出太一(.471)、4位中村将希(.438)、5位山縣秀(.375)。そして10位に小澤周平(.353)、15位には、4月22日の立教1回戦で2本塁打を放った野村健太(.286)。打線はどこからでもチャンスを作ることができる。
1番センター尾瀬、7番サード小澤の2年生二人が好守に溌溂(はつらつ)としている。ともに層の厚いポジションでの抜擢。上級生のケガなどのアクシデントもあってのスタメン起用である。二人は監督の期待に応え、チャンスを確実につかんだのだった。
ベンチのホワイトボードには小宮山監督が書いた「好球必打」の文字がある。その通り、初球からガンガン振っていく。送りバントも初球からきっちり決める。その様は小気味よく、「ブレーキ感」なく打線が躍動した。
だが熱心なファンの要求は高い。温かいコーヒーで暖を取りながら背を丸めて観戦していると、時折辛口の叱咤が聞こえてくる。
4月23日の立教戦2回戦、初回の早稲田の攻撃の時。5番吉納翼が四球を選んだ。一塁へ向かおうというそのときに、バットを投げながら、ベンチに向かって拳を上げガッツポーズを取った。
この光景に、バックネット裏に陣取っていた早稲田ファンから「四球でガッツポーズするな」との苦言が……。相手のミスに喜ぶのは良くない、というわけである。それを耳にし、「まあ、そうだろうな」と私もうなずいた。
ところが、これを小宮山監督は是認した。一体なぜか。