早大野球部を小宮山監督の戦友が激励!ノーコン克服で大活躍した“伝説のOB”とはOB大澤明の話にじっと聞き入る早稲田大野球部員

元メジャーリーガー・小宮山悟監督率いる早稲田大学野球部が、2023年春季リーグ戦の開幕を迎える。小宮山監督はチームの仕上がりに自信を見せるが、控え選手などを含めた全部員が絶好調というわけではない。春季オープン戦で、公式戦での登板経験がない投手を試したところ、プレッシャーからか四死球を連発したのだ。その姿をかつての自分に重ね合わせたのか、在学時に猛練習によって制球難を克服した“伝説のOB”が激励に訪れた――。(作家 須藤靖貴)

開幕控えた早大野球部を
「伝説のOB」が電撃訪問

 2023年春。米国ロサンゼルス遠征、そして沖縄・浦添市でのキャンプと、ダイナミックに動いた早稲田大野球部。「監督に就任して以来、もっとも良いチーム」と小宮山悟監督は目を細める。

 投手陣をはじめとして各ポジションの層は厚く、打撃陣も好調。戦力の充実ぶりが目覚ましいのだ。

 満を持してシーズンの開幕を待つ4月。監督にもチームにも願ってもないことが起こる。

 早稲田大野球部の練習場・安部球場に一人のOBが姿を見せた。厳しいまなざしをグラウンドに向けていた小宮山監督が表情を緩める。小宮山の同期、大澤明の訪問だ。

早大野球部を小宮山監督の戦友が激励!ノーコン克服で大活躍した“伝説のOB”とは春季リーグ戦に向け、練習を積む早稲田大学野球部の面々

 大澤には「奇蹟の投手」と称される逸話があり、その猛練習ぶりは伝説となっている。

「そのときのことを、今の学生に聞かせてやってほしい」。前々からそう小宮山は懇願していた。この春、それがかなったのである。
 
 4月1日公開の前回記事『早大野球部・小宮山監督が「言わなくても分かるだろう」の指導をやめた理由』が大澤の目に留まり、後輩たちを鼓舞するために駆け付けてくれたということだった。

 この記事では春季オープン戦での、あるノーコン投手のことを書いた。彼は力み過ぎてストライクが入らず、試合を壊してしまった。「彼の気持ちに、大澤は当時の自分のことを重ねたのかもしれない」と小宮山は言う。