須藤靖貴
「白鵬いじめが酷すぎる」耳を疑った“誓約書への署名”…白鵬に直撃取材した記者が語る“知られざる姿”
宮城野親方(元横綱・白鵬)が6月9日付で日本相撲協会を退職する。これを受けて「白鵬いじめが酷すぎる」「宮城野親方(白鵬)を退職まで追い込んだ相撲協会はおかしい」など相撲協会への批判が噴出している。なぜ宮城野親方への風当たりは厳しいのか。雑誌「相撲」の元編集者・記者で、現役時代の白鵬へのインタビュー経験もある須藤靖貴氏が明かした――。

早大野球部・小宮山監督が「プロ入り公言も不振」の有望投手にかけた言葉、夢は“ドラ1”
明治大学の3季連続優勝で幕を閉じた東京六大学野球・春季リーグ戦。優勝を見据えて挑んだ早稲田大学野球部は4位に終わった。その早大野球部には、直近のプレーがあまり冴えないにもかかわらず、「プロ入りを目指す」「ドラフト1位で指名される」と高い目標を掲げる部員がいる。確かに才能に恵まれており、高校時代の実績も申し分ないのだが、今一つ伸び悩んでいるこの青年に、元メジャーリーガーの小宮山悟監督はどんな指導を行おうとしているのか――。

明治の3季連続優勝で幕を閉じた東京六大学野球・春季リーグ戦。戦力充実で臨んだはずの早稲田大学野球部は4位に終わった。最後を飾る伝統の早慶戦、1回戦は5-3で早稲田、2回戦は1-15で慶応、そして3回戦は0-1で慶応の勝ち。早稲田大・小宮山悟監督は2回戦の大敗を受けて「はらわたが煮えくり返るよう」と怒りを隠さなかった。だが、その一方で“収穫”もあったという――。

東京六大学リーグ、春季リーグ戦が始まった。早稲田大学野球部は東京大学に9-1、14-1と連勝。続く立教大学にも8-2、11-3と完勝した。このうち立教2回戦では印象的な一幕があった。早大の打者が四球を選んだ際、ベンチに向かってガッツポーズをしたのだ。野球の世界では一般的に、相手のミスに対して感情をあらわにすることは「マナー違反」とされる。実際に、観客からは苦言のやじが飛んだ。だが早大野球部・小宮山監督は、このガッツポーズを認めた。それはなぜか――。

元メジャーリーガー・小宮山悟監督率いる早稲田大学野球部が、2023年春季リーグ戦の開幕を迎える。小宮山監督はチームの仕上がりに自信を見せるが、控え選手などを含めた全部員が絶好調というわけではない。春季オープン戦で、公式戦での登板経験がない投手を試したところ、プレッシャーからか四死球を連発したのだ。その姿をかつての自分に重ね合わせたのか、在学時に猛練習によって制球難を克服した“伝説のOB”が激励に訪れた――。

早稲田大学野球部が、米国のロサンゼルスと沖縄の浦添で春キャンプを行った。監督就任5年目に入った元メジャーリーガーの小宮山悟は、どのような指導方針で早稲田大野球部を優勝に導こうとしているのか。

プロ野球現役時代に117勝を挙げ、MLBのニューヨーク・メッツでもプレーした名投手・小宮山悟。彼が母校・早稲田大学野球部の監督に就いたのは2019年1月。スローガン「早稲田大学野球部を正しい姿に戻す」を掲げてチームづくりに取り組み、早朝から夜までグラウンドに詰めて、じっと部員たちを観察する。能力とやる気を見抜き、最善のタイミングでアドバイスする。小宮山悟のチームビルディングも5年目のシーズンを迎える。

東京六大学2022年秋季リーグ戦。シーズンの掉尾(とうび)を飾る早慶戦は5X-4、9-6と早稲田大学が連勝した。この結果、優勝は明治大学。早稲田大は2位、慶応大は3位となった。11月5、6の両日ともに2万2000人の観客が見守った熱戦から時を経て、早稲田大・小宮山悟監督に話を聞いた。早慶戦のレビュー、そして次期チームの構想、2023シーズンへの展望である。

2022東京六大学秋季リーグ戦。11月5、6日に行われた早慶戦は、5X-4、9-6と早稲田大学が連勝した。この結果を受けて明治大学の優勝が決まった。明治は春秋連覇である。早慶戦、慶応は2勝して勝ち点を挙げれば優勝だった。一方の早稲田は、勝てば2位、負ければ3位。それでも目前でのライバルの胴上げを阻止しようとする早稲田の気迫は素晴らしく、そして慶応も見事な粘りを見せた。2試合ともに緊張度の高い見ごたえのある試合だった。

法政大に連勝して勝ち点を挙げた早稲田大野球部は絶好のスタートを切ったものの、その後の明治大戦で連敗。後がなくなった小宮山監督はどのような采配を見せたのだろうか。

東京六大学野球の秋季リーグが開幕。7シーズンぶりに開幕2連勝を飾った早稲田大学野球部だったが、その後、春季の覇者・明治大には2連敗。そのうち1試合は小宮山悟監督就任後、最多の17失点というありさまだった。それでも小宮山監督は「大敗」という結果に勝機を見いだしていた。その理由とは。

東京六大学野球の秋季リーグが開幕。7シーズンぶりに開幕2連勝を飾った、小宮山悟監督率いる早稲田大学野球部は、夏合宿を経て一体何が変わったのか。

東京六大学野球の秋季リーグがいよいよ開幕する。元・メジャーリーガーで早稲田大学野球部の小宮山悟監督は「正しい早稲田野球部の姿に戻す」を目標に掲げ指揮を執る。自身の学生時代に比べ「打たれ弱い」と感じる学生たちに対し、令和に合うアプローチで指導をしているというその工夫とは。

小宮山悟が監督に就いてから初めて行われたサマーキャンプ。そこには元メジャーリーガーが我慢強く選手と向き合い、チームの一体感をつくり上げた姿があった。大御所OBも小宮山監督の指導力に太鼓判を押す。早稲田大学野球部のサマーキャンプから見えた理想のチームづくりとは?

8月の風物詩、甲子園。海外の野球関係者の中には「こんな過酷な環境で、高校生に野球をやらせるのか」と疑問を呈する者もいる。1998年、夏の甲子園で松坂大輔が1試合に250球を投げたとき、当時ロッテで小宮山のチームメイトだった外国人選手は、驚きを隠せなかった。メジャーを知る小宮山は、批判の意味を理解しながらも、甲子園の良さを感じている。夏の甲子園と同じ頃、新潟では早大野球部が合宿に入る。春季リーグで5位に終わった早大は、秋季に向けて巻き返しを誓う。

春季リーグ戦5位からの巻き返しを誓った早大野球部は、新潟県南魚沼市での合宿に臨む。今の4年生は、コロナ禍で合宿を経験できなかった世代だ。小宮山悟監督は当初、4年生を全員合宿に連れて行こうと思っていたが、最終的には参加を強制せず、4年生の自主性に委ねた。その裏には、メジャーリーグでの自らのキャンプ経験があった。小宮山がメジャーのキャンプで学んだこととは?

就任以来「我慢」を続ける小宮山悟監督はかつて、早大野球部は「見違えるようなチームになる」と予言していた。小宮山が自信をのぞかせる背景には、現役時代の経験があったのだ。

ライバル・慶応に連敗し、早稲田大野球部の春季リーグ戦は終わった。全試合終了後のスタッフミーティング。チームに危機感が足りないことを危惧する小宮山悟監督は、「このままでは組織は崩壊する」と、熱い言葉で部員たちを鼓舞した。秋季リーグに向けて、小宮山のチームビルディングは奏功するのだろうか。

早大野球部の2022年シーズン春季リーグは不本意な結果が続き、優勝を逃した。最終の早慶戦はいわば消化試合。それでも小宮山監督は、部員を集めて叱咤(しった)した。「野球がどういう競技なのか、知っているか?」と問いただし、その上で「我慢」の大切さを説いた。薫陶を受けた早大野球部は、自らの真価が問われる伝統の早慶戦へ臨む。

2022年シーズン、連敗スタートの小宮山・早稲田はその後も調子が上がらず、東大にも2戦連続の引き分けを喫してしまう。そんなとき、小宮山の脳裏には、ロッテ時代に経験した「悪夢の18連敗」の記憶がよぎった。窮地のさなか、小宮山が目の当たりにした同僚の頑張りは、まさに「一球入魂」――。苦しいときにこそ人間の真価が問われる。その気高い精神性を、今の早大野球部に注入することはできるだろうか。
