北朝鮮が日本へミサイルを発射すると、怖い思いをする人たちがいる。それは、日本の朝鮮学校へ通う在日コリアンの子どもたちだ。先日、ある経済評論家がラジオで話した内容が、朝鮮学校への「ヘイトスピーチ」だと抗議を受け、番組を降板するという事態が起きた。しかし、朝鮮学校出身で在日コリアン3世の筆者から見て、その発言内容は至極まっとうなものだった。北朝鮮に関する話題は、どこまでがOKでどこからが「ヘイト」なのか。(貿易コンサルタント 豊 璋)
北朝鮮が日本へミサイルを飛ばすことと、
朝鮮学校の子どもたちは関係ない
4月13日、北朝鮮が北海道方面にミサイルを発射し、日本各地でJアラートが鳴り響いた。発射された確認が取れず、結果的には誤報となったようだが、北朝鮮のミサイルが日本へ発射される度に、いつも心配になることが一つある。それは、私の出身校である朝鮮学校への風当たりだ。
朝鮮学校は、北朝鮮を支持する朝鮮総連やその参加団体によって運営されている。正直、北朝鮮のミサイル発射には私も腹立たしさを感じる。しかしそれは子どもには関係がないことのはずだ。
運営組織、団体、後援会、保護者といった大人は、学校を通して北朝鮮に関わっているのだから、責任が付いて回るのは仕方ない。しかしそこに通う子どもたちには何の責任もない。朝鮮学校に通うことは、子どもの意思とは関係なく、親が決めたことだからだ。子どもは後に成長し、日本社会に出てから、それまで受けた教育には正当性があったのか、朝鮮学校は良かったのか悪かったのか、ということを判断できるようになるわけだ。
朝鮮学校に通う子どもたちには責任はないはずなのに、と思う誤解や騒動はそれだけではない。