頭のいい人が話す前に考えていること』を上梓した安達氏は、ある時、優秀なエンジニアに「どんな人を部下にしたいか」と尋ねた。すると彼は「誰でもいいけど、“意識だけ高いやつ”は部下にしたくない」と言った。彼は「意識だけで仕事ができない人」には共通する考え方があると言う。本記事では、「知性」と「コミュニケーション」の新法則について綴った書籍『頭のいい人が話す前に考えていること』には入りきらなかった、学生レベルの思考と学生レベルから抜け出す対処法について述べた。

頭のいい人が話す前に考えていることPhoto: Adobe Stock

信頼を得られない人の特徴

“意識だけ高くて仕事ができない”はもっとも信頼を得られない人の特徴だ。

 ストレートに言うなら、バカにされる。

 では、『意識だけ高い人』とは、どんな存在なのか。

 やたらと「勉強してます」「意欲あります」アピールをしてくる割には、「頼まれた仕事を最後までやらない」

 ひどい場合、「お客さんからの依頼も放置する」ので、上司が彼らの尻拭いをするはめになる。

「なぜ仕事を放置したの?」と聞くと、「担当さんに質問をしたのだが、回答がないので。」言い訳をする

 詳しく見てみると、1週間も回答がないのに、彼は担当に対して返事の催促もしていない。

「回答の期限を切ったのか」と聞くと、「忘れてました」と。
「1週間も回答がないなら、重ねて問い合わせるのが普通だろう」というと、「気づきませんでした」と答え、
「クレームが来ている」と知らせると、「お客さんが悪いんですよ」相手のせいにする

 何かにつけて、こんな調子なのだ。目の前の仕事をきちんとやらない。

 それでいて、「週末に社外勉強会に参加しました!」とか、スタートアップ企業の自社開発プロダクト記事を見せてきて「うちもやりたいっすねー」とか言い出し、挙句の果てには「社内では出世しているほう」とのたまうのだから、周りのイライラがつのる。

 冒頭の優秀なエンジニアは、「こういうやつは速やかにクビにしたい」と言っていた。(実際にクビにはできないようだが)
 厳しいようだが、「手を動かさない社員はいらない」というわけだ。

「意識だけ高い」人たちは一体、何を考えているのか

 しかしなぜ彼らは、「仕事をしない」のに、意識だけ高くいられるのか

 私は不思議に思って、そのエンジニアに質問をした。

「通常、仕事をしないのであれば、“意識が高い”というのは、行動と矛盾しているように感じます」と。

 すると、彼こう答えた。

 この答えが、仕事ができる人、できない人を分ける、本質的なことだった。

 その答えとは……