佐藤優が明かす、岸田首相がG7拡大会合に「北朝鮮を招待」すべきだった理由4月13日、首相官邸にてG7各国および欧州連合のユース代表による表敬を受けた岸田文雄首相 写真:朝日新聞社/時事通信フォト

G7広島サミットの開幕が目前に迫っている。元外交官で作家の佐藤優氏は、「広島出身の首相が議長を務めるのだから、もっとイニシアチブを発揮すべきだった」と言う。(作家・元外務省主任分析官 佐藤 優、構成/石井謙一郎)

「新興勢力に押されて
縄張りを縮小しつつある」国とは

 広島でG7(先進7カ国)サミットが開催されるのに先立ち、その意味を考え直してみましょう。

 新興勢力に押されて縄張りを縮小させつつある広域暴力団が、資金を確保するため直参の二次団体を締め付け、上納金の額を吊り上げている――。たとえは悪いですが、現在の世界地図は、こう説明すると分かりやすいかもしれません。

 中国を筆頭とするグローバルサウスの台頭で、世界におけるプレゼンスを失いつつある米国が、西側諸国連合に所属するドイツや日本を締め付けている――。この点で私は、フランスの歴史人口学者であるエマニュエル・トッド氏と見解を同じくします。

 トッド氏は、こう述べています。

〈米国の弱体化という現象は世界各地で見られますが、ヨーロッパと日本は例外です。「帝国システムの収縮」の結果としていま起きているのは、米国が「第一の保護領」に対しては、むしろ支配を強めていることです。(中略)
「アメリカ帝国のシステム」が収縮すればするほど、その重圧は「保護領」(私はここにドイツだけでなくヨーロッパ全体を含めます)のローカルエリートに集中的にのしかかることになります〉(エマニュエル・トッド、片山杜秀、佐藤優『トッド人類史入門 西洋の没落』文春新書)

 ここでいう「第一の保護領」とは、第2次世界大戦の結果として占領したドイツと日本のことです。