米金融政策の次の一手
利上げ、利下げどちらも

 ドル円が21年初めから22年10月まで大きく上昇し、その後23年1月半ばまで大きく調整された原動力は米国の金融政策だ。22年10月までは、米国でインフレが上振れる中、米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めが市場予想を上回るものだったことから、米金利が大幅に上昇しドルを押し上げた。

 その後、米国のインフレ指標にピークアウトの兆しが見られると、将来の金融政策が転換される(ピボット)という期待や、大幅な利上げのペースが鈍化し、利上げ終了・利下げ開始といった思惑から米金利が大幅に低下。ドルも下落した。

 ところが5月の連邦公開市場委員会(FOMC)は、今後の状況次第で追加利上げが実施される可能性を残しつつも、利上げを止める可能性も示唆。米国の経済指標や金融不安の進展次第で、FRBの次の一手が追加利上げにも利下げ開始にもなり得ることになる。この結果、米金融政策に関する市場の期待の変化が、ドルを上下に大きく振れやすくなる要因となっている。

次のページ

米経済は強いのか弱いのか

TOP