米経済はマイナス成長予想
しかし雇用もインフレも強い
21年末に米景気先行指数がピークを付け、長短(10年と2年)金利差が22年半ばに逆転したことから、22年夏場頃から米国では近い将来に景気が後退入りするとの懸念が生じている。
また、市場の想定を大幅に上回り、かつ(2.5%前後とされる)中立金利を大きく上回る水準へのFRBによる利上げも米国景気の後退懸念を強めた。市場では現在、米国のGDP成長率が今年後半にはマイナスに転じるとの見方がコンセンサスとなっている。
それにもかかわらず、足もとの米経済指標は堅調さを見せている。4月の非農業部門雇用者数は前月比25.3万人増、失業率は3.4%と1969年5月以来の低水準。良好な雇用創出が続く中、労働市場がインフレ鈍化と利下げ開始につながる状態になるのか、市場は確信を持てずにいる。
FRBが最も重視しているとされるコアPCEデフレータは、22年2月に前年比+5.4%でピークを付けた後、鈍化傾向にあり、直近(23年3月)は同+4.6%まで鈍化している。そして市場では、コアPCEデフレータが23年後半に同+3%台へと更に鈍化するとの見方がコンセンサスとなっている。
もっとも、2%のインフレ目標には相当な距離があり、かつピークから1年を経ても、鈍化幅は1%ポイントにも満たない。そして足もとではISM製造業支払価格指数が23年に入ってから上昇し、ミシガン大サーベイにおける消費者の5-10年先の期待インフレ率が加速し11年3月以来の高水準となるなど、市場ではインフレが高止まりするとの懸念も広まりつつある。



