FRC破綻と予想超える雇用増
難題抱えるFRBのかじ取り
5月5日に発表された米雇用統計は、非農業部門の雇用者数が市場の予想を大幅に上回る増加となり、失業率も過去最低水準。
米連邦準備制度理事会(FRB)の昨年3月からの連続利上げにかかわらず、米経済の堅調、インフレ圧力の根強さを示すことになった。
その一方で1日には、全米14位の地方銀行、ファースト・リパブリック銀行(FRC)が経営破綻し、その後も地銀など銀行株の下落が続く。
FRBが0.25%の利上げを決めた3日の連邦市場公開委員会(FOMC)をはさむように起きた2つの動きは、「物価(インフレ)と銀行不安」の間でのFRBの難しいかじ取りを象徴する。
だがここに来てFRBは戦略を変えつつあるようにみえる。
銀行不安が長引く様相になってきた中で、FRBはインフレ収束が多少、遅れることになっても銀行システムに過剰なストレスがかからないことを優先しながら景気の軟着陸を目指すシナリオを描き始めたようだ。