日銀による金融政策の追加修正
インフレ再加速の兆し

 22年12月に日本銀行が市場予想を裏切る形で金融政策の修正を決定したことで、市場では金融政策のさらなる修正期待が一気に高まった。しかし、今年4月の金融政策決定会合において、金融政策の現状維持が決定されただけでなく、1~1.5年かけての多角的な金融政策レビューを実施することが決まり、25年度のCPI予測が前年度比+1.6%へ鈍化する見通しが示されたこともあって、日銀による金融政策の修正期待は後退している。この結果、日本の10年金利は0.3%台で推移している。

 もっとも日銀の植田総裁は、見通しが変わればレビュー中であっても金融政策を修正することも排除しない姿勢を示している。さらに日本のインフレ指標は、市場予想を上振れする傾向が続いており、年内に金融政策がさらに修正されるとの期待は根強い。

 生鮮食品を除いたコアCPI(全国)は、今年2月からの政府による電力・ガス料金の負担軽減策により1%ポイント低下したが、先行指標となる東京都区部の4月分は再加速している。6月に予定される電力料金の値上げも、CPIを押し上げる要因となり得る。さらに生鮮食品・エネルギーを除いたコアコアCPIは鈍化せず加速傾向が続いている。

 筆者は、日銀がインフレ見通しの上方修正を受け、年内にイールドカーブコントロール(YCC)政策の修正を決定し、日本の10年金利が1%方向へ上昇する可能性があるとみている。

(みずほ証券チーフ為替ストラテジスト 山本雅文)

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