3月上旬に始まった世界的な銀行不安は、広く予想されていた日本銀行のイールドカーブ・コントロール(YCC)政策撤廃のタイミングを含め、世界の金融政策正常化の行方を巡る不確実性を高めた。だが、バークレイズ証券の門田真一郎チーフ為替ストラテジストは、日銀の政策正常化があってもなくても、向こう1年は円高が進むと予見する。
日銀の政策修正は
円高を後押しへ
日本銀行が今後数カ月の間、政策の正常化をさらに進めるための条件とは何だろうか。
それは、このまま3月上旬に表面化した世界銀行不安が一段と後退し、日本の堅調な賃金動向が持続することにある。昨年12月に行われた予想外のイールドカーブ・コントロール(YCC)政策の調整に続き、日銀の政策正常化が進めば、中期的な円高トレンドを促す公算が大きい。
しかし、実は日銀の政策修正以外にも、円高を促す要因が大きく3つある。