「本気で英語を話せるようになりたい」という人に役立つ1冊が『話す力が身につく5分間英単語』だ。1トピック5分の英単語トレーニングで、実践的なスピーキング力やリスニング力を向上させることができる。著者は、英字新聞編集長を10年以上務める高橋敏之氏。一般的な英単語集には記載されていない「ニュアンス」や「実際の使われ方」を丁寧に解説した。本稿では本書から特別に一部を抜粋して紹介する。
force:「無理やり感」が基本のイメージ
force
(1) ~に強要する
(2) ~を(無理やり)強い力で動かす
動詞のforceは、force me to do it(私にそれをさせる)のような基本の用法以外にも、force my head against the fence(私の頭をフェンスに押しつける)、force my way through ~(~の間を無理やり進む)、force it open(それをこじ開ける)のように、様々な使い方をする厄介な動詞だ。
こうした幅広い用法を持つ動詞を押さえるには、コアとなるイメージをつかむようにしよう。
forceのコアイメージは「無理やり感」。
何かを無理やり、力ずくでやるというイメージで捉えておけば、どのような形で使われていても理解することができる。
forceは幅広い用法を持つため、使いこなせるようになれば、自分で表現できる範囲が大きく広がる。
それぞれの用法をしっかりマスターしよう。ちなみにforceは「力、暴力」を意味する名詞としても使われる。
(1) ~に強要する
She was charged with forcing her cheating husband to eat dog food.
彼女は浮気者の夫にドッグフードを食べさせて起訴された
◆ 〈force 人 to do ~〉で「人に(意思に反して)~させる」
Wildfires forced thousands of people to evacuate their homes.
山火事で数千人が家から避難するのを余儀なくされた
He was forced to resign after the scandal emerged.
スキャンダルが明るみに出て、彼は辞任を余儀なくされた
On a cold winter morning, I forced myself to get out of bed.
ある寒い冬の朝、私はどうにかしてベッドから出た
◆ force myselfはこのように、自分自身を無理やり動かすような状況で使われる
(2) ~を(無理やり)強い力で動かす
I forced the clothes into my suitcase.
私はその服をスーツケースに押し込んだ
◆ (2)の意味では、〈force(無理やり)+into(中へ)〉のように、前置詞・副詞などのニュアンスと合わせて考えると意味が見えてくる
The new supermarket forced us out of business.
その新しいスーパーは、私たちを廃業に追い込んだ
The driver forced the package through the letterbox.
そのドライバーは荷物を郵便受けに無理やりねじ込んだ
The officer forced his head against the fence.
その警官は、彼の頭をフェンスに押しつけた
They forced him down to the ground.
彼らは彼を地面に押し倒した
The woman forced her way through the crowd.
その女性は群衆の中を無理やり進んだ
The burglar tried to force the window open.
その泥棒は窓をこじ開けようとした
◆ force open the windowという形も使われる。文脈から「開ける」ことだと分かる場合は単にforce the windowと言うこともある
Don’t force your ideas on me.
あなたの考えを私に押しつけないで
◆ 「あなたの考えを無理やり私の上(=on)にのせる」⇒「考えを押しつける」と理解しておこう
□ evacuate(動)~から避難する
□ package(名)荷物
□ burglar(名)泥棒
(本稿は『5分間英単語』から抜粋・編集したものです。)