新型コロナウイルスが猛威を振るってストレスフルな生活を強いられた私たちだが、コロナ禍が収束に向かう中、人々は新たなストレスに直面している。そこで今回は、米ハーバード・メディカル・スクールのレポートをご紹介したい。その中には、一般に常識と考えられているようなストレスに関する話を真っ向から否定する内容が満載されていた。あなたが信じていた話があったとしたら、これを機にストレスに関する「エセ常識」を捨て去ってほしい。(イトモス研究所所長 小倉健一)
コロナ禍の真っただ中でも
収束が見えてもストレスは襲ってくる
息が詰まるような、マスクをしていたので文字通りの意味でもあるが、本当に息が詰まるようなコロナ禍がようやく収束を迎えつつあるようだ。米国は新型コロナウイルス対策として空路で入国する外国人に求めていたワクチン接種証明書の提示義務を廃止することになった。
街を歩き、電車に乗っていると、徐々にではあるが、マスクを外している人が増えてきたように思う。私もマスクを外す機会が増え、かつての快適な日々を取り戻しつつある。
そんな中、私の友人であり、イベント会社を経営するG氏(37歳)は、コロナ禍で抱えていたストレスとは別のストレスを抱えているのだという。
「コロナ禍では、仕事がまったくないというストレスがあった。毎日、本当にすることがない。営業に出ようにも、営業先の担当者はリモートワークで会社におらず、文字通り『門前払い』の日々。やることがないというのは味わったことのない地獄だった。さまざまな手厚い補助金制度を活用できたので、生活の維持という面では安心している部分があったが、暇すぎるのでウーバーイーツなどの宅配業務を体験してみたりもした」
「コロナ禍が収束してからは、今度は将来不安というストレスを抱えている。イベントで出す食事やペットボトルなどの仕入れ値や運搬費が、急激に値上がりをしているにもかかわらず、なかなか価格転嫁できていない。仕事をいくらしてもお金が全然残らない」