正社員や金融業の人の方が
ストレスを感じている

 一難去ってまた一難。徳川家康は「人の一生は重荷を背負うて遠き道を行くがごとし」と言ったというが、G氏だけでなく、日本人はいま、どの程度のストレスを抱えているのだろう。2022年12月8日に日本労働組合総連合会(連合)が発表した、「コロナ禍における職業生活のストレスに関する調査2022」(※)では次のような結果が出た(以下の箇条書き部分は同調査の引用)。

※18~65歳の被雇用者1000人(有効サンプル)を集計。インターネットリサーチによって22年10月1~3日で実施

・現在、自分の仕事や職業生活に関して、“強い不安、悩み、ストレス”(以降、「ストレス」)となっていると感じるものは何か聞いたところ、「職場の人間関係」(30.9%)が最も高くなり、「仕事の量」(22.8%)、「地位・待遇」(19.9%)と続き、何らかのストレスを感じている人の割合は74.3%にのぼり、ストレスを感じながら仕事に従事している人が少なくありません。
・雇用形態別にみると、ストレスを感じている人の割合は正規雇用者では79.7%と、非正規雇用者と比べて13.8ポイント高くなりました。また、非正規雇用者では「雇用の安定性」が23.3%と、正規雇用者と比べて10.7ポイント高くなりました。
・業種別にみると、ストレスを感じている人の割合は[金融業,保険業](86.8%)で高く、次に[建設業](76.6%)、[運輸業,郵便業](76.5%)と続きました。
・残業時間別にみると、残業が長くなるほど、「仕事の量」「仕事の質」をストレス要因とする回答が高くなり、特に「仕事の量」はその傾向が顕著でした。

 この調査で面白いのは、ストレスを感じている人の割合は正規雇用者で79.7%と、非正規雇用者と比べて13.8ポイント高くなった点だろう。本来であれば安定した職に就いているはずの正規雇用者の方がストレスを感じているのだ。

 また、金融業という一般的に賃金が高い業界でもストレスが高いことが分かる。ストレスといえば、将来不安や賃金の低さから発生する部分もあるのだが、この調査ではそうはなっていないのが興味深い。