今回は、「リクルートHD」を取り上げる。HR業界においてトップの規模を誇る同社だが、23年3月23日に2400人もの人員削減を行うと発表し話題を呼んだ。対象となるのは高い収益性を誇る、傘下の米インディードを中心としたHRテクノロジー事業だ。なぜ、同社は高収益事業での大量リストラに踏み切るのか。(中京大学国際学部・同大学院経営学研究科教授 矢部謙介)
リクルートHDが
米インディードのリストラに踏み切った!
2023年3月23日、リクルートHDは傘下の米インディードを中心としたHRテクノロジー事業において約2400人におよぶリストラ(人員削減)を行うと発表した。この数は、HRテクノロジー事業における従業員数の約15%に相当する大規模なものだ。
なぜリクルートHDはHRテクノロジー事業の大規模なリストラに踏み切ったのだろうか。また、そのリストラの目的は何だったのか。
リクルートHDがKPI(業績評価指標)に調整後EBITDA(利払前税引前償却前利益)を掲げる理由と経営戦略の関係について決算書のデータをひも解きながら解説した後、HRテクノロジー事業における大規模リストラの理由と目的について見ていこう。