「おじさん嫌い」の時代、嫌われたくない40代男性の悲哀と“あきらめの境地”写真はイメージです Photo:PIXTA

昨今話題に出ることが多いパワハラやセクハラといったハラスメントの加害者は、多くが中高年男性の「おじさん」であることが多い。その年代の男性が社会的地位のあるポジションにいることが多いからだろうが、一部の「おじさん」による邪悪な行為によって、「おじさん」が一くくりに嫌われがちな風潮もある。嫌われたくないおじさんは、この世間の風潮とどう付き合えばよいのか。(フリーライター 武藤弘樹)

「おじさん」が持つネガティブな響き、己とどう付き合うか

「“働かないおじさん”という言葉を用いることはハラスメントに当たるか否か」について、専門家の意見を紹介しながら考察した記事(『職場やネット上で散々な言われようだが…「働かないおじさん」発言はハラスメントにならないのか?』FRIDAY DIGITAL)を面白く読んだ。それによると、「周囲の不満がどれだけあろうとも、それを本人に向けて言ったらハラスメント。また、本人に自覚がない場合でも第三者の告発によってハラスメントが顕在化する可能性はアリ」とのこと。また、「解雇規制などによって労働者を守る日本には“働かないおじさん”が生まれやすい土壌がある」――という根源的な構造にも言及されていた。
  
 今年で43歳となる筆者は、数年前から「おじさん」をぼちぼち自称するようになった。自分がそうなったからこそ「おじさん」のあり方に興味津々で、いわば「おじさんルーキー」である。次に控える称号は「おじいさん」であり、おじいさんとなるまでの向こう2、30年はみっちり付き合うことになるこの「おじさん」を、ぜひ全うしたい所存である。
 
 さて、「働かないおじさん」はもとより、もっといえば「おじさん」という語にすでにネガティブなニュアンスがある。この状況を当のおじさんはどのように考えているか――について、どうやら非おじさん的存在(若い男性や全年齢の女性など)は興味深く感じられるらしい。

 ならば小生駆け出しのおじさんではあるが、そして、あくまで一おじさんの一意見ではあるが、つづってみたい。