「残業=やる気の表れ」と考える、時代錯誤な経営者に伝えたいこと写真はイメージです Photo:PIXTA

良い経営者ほど
残業量で社員を評価しない

「残業時間の多い社員=仕事熱心な社員」。かつては経営者も社員自身もそんな考えを持つ人が多くいました。時代が変わり、社員に健康を害するような働き方を強いる会社は大企業であれ、中小企業であれ、許されなくなりました。いわゆるブラック企業です。

小宮一慶・小宮コンサルタンツ代表小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 残念ながら、社員に膨大な仕事を押しつけ、残業代を払わずにサービス残業を強いる前近代的な会社もいまだに存在しますが、そのようないずれ淘汰されていくブラック企業の経営者は論外としても、今回は、残業は社員のやる気の表れ、だから残業代は支払うのでどんどん残業をしてほしいという旧態依然の考え方を捨てられない経営者に向けた話です。

 私は30年以上前、東京銀行(現三菱UFJ銀行)に勤めていた当時から、残業が嫌いでした。東京銀行は当時は日本唯一の外国為替専門銀行でしたので、海外の拠点とのやりとりがとても多かったのです。私は最後はM&Aの仕事に就いていたのですが、東京の午後5時、ロンドンのビジネス時間がはじまると30分程度ロンドンの担当者と電話で話をした後に帰宅していました。

 友人と飲みに行くこともありましたが、自宅で家族と夕食を食べて、団らんをして、子どもが小さかったので風呂に入れたりしていると11時頃になります。すると今度はニューヨーク支店が業務を開始します。ニューヨーク支店の担当者は私の行動を理解しているので、家に電話をかけてくるし、私から連絡の必要があるときは自宅から電話をしていました。もちろん、電話代は会社に支払ってもらっていました。