若い3人のビジネスマン写真はイメージです Photo:PIXTA

新入社員の
どこを見て判断すべきか?

小宮一慶・小宮コンサルタンツ代表小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 今年もまもなく新入社員が配属される季節になります。新入社員にもいろいろなタイプがいますが、仕事に関して言えば、すぐに仕事を覚えて一人前になって評価される器用なタイプもいれば、仕事を覚えるまでに時間がかかる不器用なタイプもいます。

 覚えが早いと評価されるのは器用な新人です。以前にもお話ししましたが、器用な新人は、先輩の仕事ぶりを表面的に学ぶ能力が高いため、半人前の段階をすぐに通過して、一人前になります。

 あえて“表面的に”としたのは、一人前とは、マニュアルを見たり先輩にやり方を聞いたりせずとも、自分の仕事を一通りできる段階に過ぎないからです。

 もちろん、新人が早く一人前になってくれると上司も先輩も肩の荷が下りるので、うれしいものです。「よく頑張った」と褒めるかもしれませんが、新人はその言葉に満足したり、自分は一流の人材だと勘違いしたりしてしまうかもしれません。

 その状況に満足して努力を怠る新人は、二流の人材にとどまってしまうことになりかねません。「一人前」は二流であって、「一流」ではないのです。