
ChatGPTの台頭で
知識社会の職は激変する
OpenAI社が開発した会話形式でやり取りできるチャットボット「ChatGPT」は、質問に回答するだけではなく、文章を書くというようなクリエーティブな作業も代行してくれます。試用した時点では完璧な回答、完璧な文章を書いてくれるわけではありませんが、将来はありとあらゆる業界にChatGPTのようなAIが進出し、人間は多くの仕事を“奪われる”ことになりそうです。
例えば、ダイヤモンド・オンラインに載せるこの連載記事の編集業務。これまでの私の記事や著作、講演会の音声データなどを読み込ませた上で、編集部が質問を入力すると、ChatGPTが私に代わって記事を書く――という時代が来るかもしれません。

小宮コンサルタンツ代表
コンサルタント業界も同じです。例えば今、経営コンサルタントが書きそうなビジネスアドバイスの代筆をChatGPTに頼むと、「顧客のニーズに基づいて戦略を策定することが重要です。それによって、企業のビジネス成果を最大化することができます」という書き出しの文章がすぐに表示されます。
この文章が妥当かどうかはともかく、やはり将来的にChatGPTのバージョンが上がったり、別の優秀なAIが開発されれば、特に若い人たちは、AIに勝る生き残り策を考えなければなりません。
ピーター・F・ドラッカー「マネジメント」(ダイヤモンド社)の中で、「われわれの社会は知識社会となった。ますます多くの人が、自らの知識を仕事に適用することによって生計を立てるようになった」と書いています。その「知識を仕事に適用することによって生計を立てている人」の多くが職を失うかもしれません。
では、人間がAIに勝るものは何か。それは二つあると思います。