周りから見たら全然そんなことはないのに、
自分のことを「コミュ力が低い」と思っている人はたくさんいます。
「嫌われないようにしよう」「できれば好かれたい」といった気持ちもあるため、必要以上に相手に気をつかってしまいます。
そんな「(自称)コミュ力低い」さんが、相手への気づかいのもりでつい言ってしまいがちな「NGワード」とは?
何気なく放った一言が、自分自身を苦しめてしまうこともあるので注意が必要です。
30代で経営者歴10年以上、『20代が仕事で大切にしたいこと』著者の飯塚勇太氏に、一瞬で相手の印象が悪くなる「NGワード」について伺いました。
(編集/和田史子)
チャンスを遠ざける言葉は口にしない
入社して間もない社員に、私はよく「『人見知り』という言葉を使わないようにしましょう」と話します。
「私は人見知りなので、先輩たちとなかなか仲良くなれなくて…」
うまく話せなくて申し訳ないという気持ちから、ついこのような一言を口にしてしまう人、多いと思います。
気持ちはわかりますが、実は逆効果の言葉なので注意が必要です。
想像してみれば、自分から「人見知りで…」と言う人に、わざわざ話しかけたいと思う先輩はいません。
優しい先輩であればあるほど、「じゃあ無理させないよう、話しかけるのをやめよう」となります。
「人見知り」だからこそ、本当は先輩のほうから話しかけてほしいのに…。
「人見知り」は、相手のほうから自分に話しかけてくれるチャンスを自ら遠ざける、何の得にもならない言葉です。
見ず知らずの人と話すのは、誰もが緊張するものです。私も同じです。
なじみの人とだけ話して仕事になるのならばそうしたい。でも、残念ながらそんな未来はあり得ない。だからこそみんな勇気を出して、知らない人とも自分からコミュニケーションをとり、徐々に関係を深めていくのです。
人見知りであること自体は仕方がないですし、言ってみればほとんどの人は人見知りです。みんな同じです。
だから、わざわざ口に出して他人に宣言するようなことではありません。
みんなもそうだと思うだけで、少し心がラクになるはずです。
「損するイメージ」を排除する
人見知りを克服する方法はあるのでしょうか?
それは、人見知りを覆す「いいイメージ」だけを自分の中で思い出し、膨らませることです。
人見知りだと思っていたけど、初対面の人とも話せた。
自分から話しかけるのは苦手だけれど、先輩を呼び止めてわからないところを質問できた。
人前は苦手だと思っていたけど、友だちの結婚式のスピーチで大きな拍手をもらった。
そのような「人見知りを覆すエピソード」が必ず、自分の中に隠れているはずです。
お店の人にお会計をお願いしようと声をかけることができた。
といった、小さなことでも構いません。何か一つはあるはずです。
それらを思い出して、ひたすら自分の中で膨らませ、「得するイメージ」だけをひたすら妄想するのです。
「私は人見知りで……」と誰かに言いたくなったときは、これを試してみてください。
「前回、私は緊張しながらも初対面の人と話ができた」
こんなふうに心の中でつぶやくのです。
「できたイメージ」が上書きされ、自分の中の人見知りが徐々に居場所を失っていきます。
(飯塚勇太著『20代が仕事で大切にしたいこと』から一部を抜粋・改変しています)
株式会社サイバーエージェント専務執行役員
1990年神奈川県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。
2011年、サイバーエージェントの内定者時代に、友人らと開発・運営した写真を1日1枚投稿し共有するスマートフォンアプリ「My365」を立ち上げ、21歳で株式会社シロク設立と同時に代表取締役社長に就任(現任)。2014年、当時最年少の24歳でサイバーエージェント執行役員に就任。2018年株式会社CAM代表取締役、2020年株式会社タップル代表取締役に就任(現任)。2020年サイバーエージェント専務執行役員に就任(現任)。
『20代が仕事で大切にしたいこと』が初の著書となる。