働きながら3年で、9つの資格に独学合格! 大量に覚えて、絶対忘れないノウハウとは?
「忘れる前に思い出す」最強のしくみ、「大量記憶表」を公開!
本連載の著者は棚田健大郎氏。1年間必死に勉強したにもかかわらず、宅建試験に落ちたことをきっかけに、「自分のように勉強が苦手な人向けの方法を編み出そう」と一念発起。苦労の末に「勉強することを小分けにし、計画的に復習する」しくみ、大量記憶表を発明します。棚田氏の勉強メソッドをまとめた書籍、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』の刊行を記念して、寄稿記事を公開します。
勉強しても全然わからない。どうすれば?
先日、宅建試験の受験者から次のような質問をいただきました。
「宅建業法を一通り終えて、法令上の制限にはいったのですが、ここから一向に前に進みません。法令上の制限は、何度過去問をやっても、初めて聞くワードが出てきてしまいます。宅建業法の時はここまで悩みませんでしたが、法令上の制限に入ってから、毎日わからず混乱ばかりです。このままでは点数が取れる気がしません。アドバイスをいただけたら嬉しいです」
ポイント① 分野によって難易度にかなり差がある
宅建試験の分野は大きく分けると3つあり、その難易度を10段階でレベル付けするとこうなります。
宅建業法:3
法令制限:6
権利関係:10
宅建業法はすごく勉強しやすいです。参考書や問題集の解説を読めばすぐに頭で理解できることが多いです。もちろんクーリングオフとか8種制限とかややこしい部分はありますが、意味が分からないということはあまりないので、スムーズに学習が進みます。
ただ、法令制限は宅建業法よりもなじみが薄いのと、専門的な話が多く出てくるので理解にすごく時間がかかります。だから宅建業法のように進まなくなるのは当然です。今までがスムーズすぎただけです。
法令制限は宅建業法のように1回や2回問題を解いたり読んだりしたくらいでは、ちゃんと理解ができません。理解ができないと不安ですよね。気持ちはわかります、私もそうでした。
ただ、繰り返し同じ問題、同じページを一定周期しつこくやり続けると、少しずつ、「あ、これはこういうことだったんだ」と理解できるようになります。宅建業法のようにすべてを理解できたうえで次に進めるわけではありません。これは権利関係も同じです。
法令制限はピンポイントで勉強してもよくわかりません。例えば、建ぺい率だけを勉強してもよくわからないですよね。でも、用途地域なども勉強していくなかで、さまざまな知識がつながっていきます。そこで初めて理解ができてくることがたくさんあります。
ポイント② 勉強法とはレシピである
クックパッドをご存じでしょうか。料理のレシピを検索できるサイトですね。いろんな人のレシピが見れて面白く、私も参考にしているんですが、皆さんにお聞きします。
「この作り方は明らかに間違っている」というレシピを見たことはありますか。私はありません。レシピ通りに作れば、そこそこおいしい料理ができますよね。
ただ、家にブレンダーがないのにブレンダーを使って食材をつぶすレシピだったら使えないですよね。子どもの世話で忙しいのに、何十時間も煮込むの無理ですよね。
つまり、料理の腕や生活スタイルが違うので、その人に合うレシピと合わないレシピがありますよね。勉強法も同じです。
私は、働きながら3年で、9つの資格に独学合格したのですが、紙1枚勉強法という勉強法が私にぴったり合ったからです(昨年、この勉強法をまとめた『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』という書籍を出版しました)。
紙1枚勉強法は、私のように学習が苦手な人でも確実に知識が付くという意味で、すごくオススメしていますが、すべて私の言ったとおりにやる必要はありません。
むしろ大切なことは、自分にあうように「アレンジ」していくことです。料理もそうしますよね。勉強も同じです。
もし過去問からやってみることが、あまりに自分にとってしっくり来ていなければ、試しに参考書読んでからやってみる。そんなアレンジをぜひやってみてください。
自分に一番合う勉強法は自分にしかわかりません。他人に勧められた勉強法を、ただやり続けるのではなく、臨機応変にアレンジしていく、これはすごく大切です。
私はそうやっていろんなやり方を試して試して、試行錯誤したので、紙1枚勉強法という本を書くことができました。先に進む方法はたくさんあります。どうか自分にとって今一番やりやすい方法を、いろいろ試して見つけてほしいです。
働きながら3年で、9つの資格に独学合格!
はじめまして、棚田健大郎と申します。この度、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』を上梓します。私は、働きながら3年で、次の9つの資格に独学合格しました。
行政書士、宅地建物取引士、マンション管理士、管理業務主任者、ビジネス法務エキスパート®、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、賃貸不動産経営管理士、敷金診断士、シニアライフ・相続アドバイザー
勉強が得意だったわけではなく、最終学歴は専門学校です。ただ、すべての試験に一発合格できたわけではありません。最初に取得した宅建士は、試験勉強をしっかりしたにもかかわらず、一度落ちています。
1年間がんばったが不合格。その理由は?
当時、サラリーマンだった私は毎日の仕事が忙しく、スクールに通って勉強時間を確保するのが難しかったので、独学合格を目指していました。帰宅後、毎日3時間勉強していたのですが、合格点に1点足りずに落ちてしまったのです。
1年間勉強して落ちたときの心境は言葉では言い表せません。すべてを否定された気がしました。これだけの時間をつぎ込んでも合格できないのは、根本的にやり方が間違っていると思いました。勉強法を見直すことにした私に、ある1つの考えが浮かびます。
「暗記さえできれば合格できる」
不合格になるのは、答えを間違えているから。その原因の多くは、答えを導き出す知識を覚えていないからです。勉強したことを試験日まで「絶対に忘れないようにするしくみ」を作れば、必ず合格できます。
そして試行錯誤の末、『大量に覚えて絶対忘れない「紙1枚」勉強法』が誕生しました。やることはいたってシンプル。覚えたことを忘れないように、「忘れる一歩手前で思い出す」のです。その進捗管理に、私が考案した「大量記憶表」を使います。
「紙1枚勉強法」のメリット
・一度覚えたことを絶対に忘れない
・スケジュール管理ができ、学習効率が大幅アップ
・「見える化」により、モチベーションがとぎれない
この勉強法を確立してからは、9つの資格をたった3年で合格できました。この勉強法は、資格試験だけでなく、大学受験や公務員試験、その他のあらゆる勉強にも応用可能です。
働きながらでも、時間がなくても絶対大丈夫!
資格取得に興味が出てきた人に立ちはだかるのが「時間がない」という壁です。仕事に追われている会社員や家事に追われている人が、「じゃあ、資格の勉強してみようかな」と思っても、「1日数時間も時間がとれない。ましてや、スクールに通う暇なんてない」と思うでしょう。
でも絶対大丈夫。仕事や家事と試験勉強の両立は可能です。私自身、最も仕事が忙しい時期に、市販の問題集と参考書を使った完全独学で、9つの資格をとりました。何とか合格したいと思い、
・過去問の徹底活用(参考書は補足教材)
・1日2~3時間の勉強時間を無理なく確保できる「耳学」
・短時間でも勉強の質が高くなるモチベーションマネジメント
こうした工夫も行いました。あますところなく紹介しますので、「忙しくて勉強時間を確保できない人」でも完全独学で合格できます。この本を読んで実践すれば、必ず結果はついてきます。
今、あなたの前には「日々の忙しい仕事」「勉強時間の確保」という大きな壁が立ちはだかっていますが、それはほんのちょっとした「しくみ」で突破できるのです。
試験直前に効くノウハウも満載!
本書では私が実践してきた、
・試験6か月前、2か月前、2週間前の最強勉強法
・試験当日に一気に点数を伸ばす10のテクニック
・3年間で9つの資格をとった同時受験ノウハウ
これらも紹介しています。すべて「働きながら」「完全独学」「一発合格」には欠かせません。
本書は私にとって初めての著書になります。この本を読んだ人が、勉強によって人生を変えることを強く願い、心を込めて書きました。私の持てる全知識を出し惜しみすることなく公開することを、ここにお約束します。
本書の主な内容
序章 働きながら9つの資格をとった理由
第1章 紙1枚でできる「忘れさせない大量記憶法」
・紙1枚とペンでOK! 大量記憶法の進め方
・過去問は「点」ではなく、「面」で理解する
・記憶メモリーを有効に使う「覚え歌」暗記法
第2章 「ながら学習」で大量記憶! 耳学をマスター!
・超効率学習「耳学」の2ステップを公開!
・耳学に慣れると、解答スピードがアップする!
・「目に入れて覚える」しくみを作ろう
第3章 三日坊主を撃退するモチベーションマネジメント
・勉強はモチベーションが9割
・がんばりすぎず、「やる気貯金」をためよう
・「勉強期間は1年」という考えを捨てる
第4章 試験6か月前、2か月前、2週間前の最強勉強法
・6か月前「覚えるより、忘れないを重視する」
・2か月前「手持ちの問題集を完璧にする」
・2週間前「復習を怠らず、自力模試を行う」
第5章 試験当日に点数を伸ばす10のテクニック
・三種の神器を会場に持参する
・ケアレスミスを防ぐ○×チェック法
・ワンブーストで「見直し時間」を確保する
第6章 私の資格試験体験記――同時受験のススメ
・最大のメリット「記憶の維持」がラク
・同時受験の勝率を上げる3つのポイント
・「本命試験が後の場合」の試験攻略法