ギフト市場に変化の兆し
キーワードは「カジュアル」
新型コロナウイルスの感染拡大はギフト市場にも大打撃を与えた。人と会うこと自体が制限された2020年は、ギフト市場は小売り金額ベースで前年比7.5%減と大きく縮小した(矢野経済研究所調べ、以下同)。
制限が緩和された21年になると前年比2.3%増、22年は4.1%増(見込み)と徐々に回復し、23年は1.3%増となる予測で、市場規模は10兆6670億円と、コロナ前の19年の水準に近い数字まで盛り返すとみられている。
ただし、昔ながらの中元や歳暮といった儀礼的な「フォーマルギフト」は減少の一途をたどっている。
そんなフォーマルギフトとは対照的に、近年、増加傾向を示しているのが親しい間柄で日常的に、あるいは誕生日などのイベントで贈り合う「カジュアルギフト」だ。カジュアルギフトの売り上げは年々伸びており、ギフト市場全体をプラス成長に押し上げる要因になっている。
中でも、このカジュアルギフトの市場で、新たな消費層として頭角を現しているのが“Z世代”だ。化粧品大手のマンダム(大阪市中央区)の調査によると、カジュアルギフトをよく贈る人の割合は、Z世代が他世代と比較して多くなっている。