詐欺の勧誘をしているイメージ写真写真はイメージです Photo:PIXTA

Z世代を狙った投資詐欺の被害が目立っているという。「FIRE(早期リタイア)」が実現できるだとか、「億り人」になれるという誘い文句がはやっているようだ。そこで今回は、詐欺が疑われる「怪しい話」のチェックポイントを二つに絞って解説する。(経済評論家、楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)

新年度から1カ月
詐欺の「だまし頃」?

 5月に入り、典型的な日本企業の新年度の開始から1カ月が経過した。新入社員もオフィスに慣れる頃である一方、「5月病」など特有の問題が生じやすい季節だが、昨今、1990年代後半以降に生まれた「Z世代」をターゲットにした投資詐欺の被害が目立っているという(「Z世代狙う投資詐欺 『FIRE』『億り人』が売り文句」日本経済新聞電子版、5月1日)。

 確かに、新入社員は給与振り込みの口座を作り、おそらく同時にクレジットカードの申し込みが済み、会社の社員としてのステータスが確立するとともに、「借金」をしやすくなっている。しかも、社会経験が乏しく、SNSなどに流通するものも含めて、他人からの情報に影響されやすい。詐欺の加害者側から見て、「だまし頃」のターゲットである。

 ちなみに、新入社員を中心とした若いビジネスパーソンに問いたい。クレジットカードの決済は、「一括払い」にしたか、「リボルビング払い(リボ払い)」にしたか?

 リボ払いは、カード会社に対して借金の残高が残り、しかもその利率が非常に高いので避けた方がいい支払い方法だ。この点を明確に意識して、「リボ払い」を断固避け、「一括払い」を選択したのであれば、少し安心だ。