20年以上多くの読者に選ばれ続けてきた大学案内大学図鑑!』が今年もパワーアップして発売された。現役生・OB・OGら5000人超のナマの声によってつくられた本書は他の大学選びのひとつの手段として選ばれている。本記事では最新版である『大学図鑑!2024』の出版を記念して、内容の一部を抜粋し再編集してお届けする。(本記事は2022年12月時点に執筆した『大学図鑑!2024』をもとにしています)

大学生Photo: Adobe Stock

 東工大の本拠地は大岡山キャンパス。他に生命理工学院のすずかけ台キャンパスがある。

大岡山キャンパス

 学士課程の講義が行われる大岡山キャンパスは、東急大井町線・目黒線大岡山駅からすぐ。住所は目黒区大岡山だが、キャンパス内に区境があり、奥のほうは大田区にあたる。キャンパスは、使う校舎によって利用駅がひとつ手前の緑が丘駅に変わるほど広い。

 校舎は多からず少なからず、のんびりくつろげる。芝生の上やベンチで学生たちが語り合い、そのすぐそばを近所の高齢者が散歩をしたり、親子連れが遊んでいたりする。本館前の戦争にも耐えたという桜の木はなかなかのもので、入学シーズンはにぎやかな雰囲気に包まれる。地元の人々も花見に集まってくる。

 立地や環境に関しては、ほとんどの学生が満足している。正門を入ったところにあるピカソの絵のような百年記念館(博物館)が、ちょっと進んだテクノロジーを見せつけている。新しい図書館はガラス張りで、チーズケーキの形をした2・3階部分はグループワークのためのスペース。地下も含めて約80万冊の蔵書が収められ、広大な閲覧室はテスト期間中にすべて埋まる。

 1930年代に建てられた本館と西1号館、1951年に建設された創立70周年記念講堂は、登録有形文化財にも登録されている。学食は第1食堂と第2食堂の2つだったが、第1がコロナ禍で営業終了に。2022年には大岡山フードショップが本館地階にオープンし、食堂手作り弁当や焼き立てパンが買えるようになった。男子学生が多いためか、「パワー丼」などボリューム多めのメニューが目立つ。

 学食の通路は動線やレイアウトを研究している研究室の計画実践の場にもなっているとか。ぼっち(一人)飯は普通。近くの商店街の飲食店にも大盛り無料のサービスなどがあり、東工大生にやさしい。キッチンカーは好評で、さらにパワーアップ。メニューや出店スケジュールは、アプリで確認できる。

すずかけ台キャンパス

 かつては生命理工学院生が3、4年次に通っていたが、現在は院生が中心。田町キャンパスに建設した高層ビルの収入を元手に、大型研究の施設・設備を集約し、次世代研究基盤とする再開発を進めている。2021年に附属図書館分室がリニューアルオープンした。