20年以上多くの読者に選ばれ続けてきた大学案内大学図鑑!』が今年もパワーアップして発売された。現役生・OB・OGら5000人超のナマの声によってつくられた本書は他の大学選びのひとつの手段として選ばれている。本記事では最新版である『大学図鑑!2024』の出版を記念して、内容の一部を抜粋し再編集してお届けする。

講義を受ける学生Photo: Adobe Stock

西日本の国公立大学の序列はどうなっている?

 西日本の国公立大学を語るうえで欠かすことのできない大学が、「京都大学」「大阪大学」「神戸大学」だろう。いわゆる関西国公立の御三家的な存在で、名実ともに人気の大学となっている。そのほかは規模的には大きくない大学が多いのが点在しているのが西日本の国公立大学の大きな特徴だ。

 京大生は名物・京大飴の「なめてかかれば挫折知らず!」のコピーが、その特色をよく表している。「何でもやれるはず、という根拠のない自信はある。だからとりあえず行動する」(理学部生)。

 伝統スタイルを貫く諸先輩の影響、大学の環境・雰囲気から、「自分で考え、何かを提案する」という京大的スタイルは継承されているが、かつての「頭はいいけど我が強くて、要領がいいとは言えない」京大生は減り、今の主流は「ゴールまでの最短距離を要領よく行く優等生」たちだ。

 学生の均質化と小粒化は京大でも進行している。とはいえ、東京の大学生と比較したら、京大生はかなり自由だ。どんな人種がいても、多少の無茶も許される校風というニュアンスも含んでいる。

「3番手」のポジションにいる大阪大学

 阪大生の基本は「まじめ」である。「勤勉」「地味」「おとなしい」というのが、外から見た確固たる印象なのだが、阪大生たちはそう見られることを歓迎しない。その抵抗は「東大・京大に次いで日本で3番目」のプライドの表出かもしれない。

 もっとも、近年は勉強を継続できる派と、つらすぎて単位取りを諦める派の二極化傾向がみられるそうだ。特に理系学部では、大学に来なくなる学生や、留年する学生がけっこういる。それだけ大学での勉強が大変なのだ。

 自由な校風の京大に「憧れていた」学生も少なくない。「京大と阪大には深い溝があるが、日本で上位3番目の大学というプライドは満たせる」「テレビや雑誌で名前が出るのは東大と京大。阪大は出ないのか!って思うことはあるし、親にもよく言われる」(工学部生)。

 庶民派を自称する学生も多いが、実際のところはエリート意識が強い。そんな阪大生たちは勉強以外のことが総じて苦手。ファッション方面に関してだと、男子は自他ともに「ダサい」と認める。女子学生からは「華やかな女子校出身なので、阪大のあまりの地味さとまじめさに驚いた。なるべく染まらないように気を引き締めている」との談あり。