「将来のお金が不安」「貯金や投資なんて余裕はない」「買い物を楽しめない」──​お金の悩みは尽きることがない。そんな中で「若い人ほど読んでほしい」「お金の知識を網羅的に学べる」と絶賛の声を集める本がある。『トゥー・ビー・リッチ 経済的な不安がなくなる賢いお金の増やし方』だ。誰でも今日からスタートできる「お金の増やし方」を提示し、世界で累計100万部突破した大ベストセラーだ。Amazon.comでは1万件以上の星5レビューが集まり、全米から世界中へと本書の実践者が増えている。本稿では本書から一部を特別に公開する。

貯金を始めてすぐ挫折する人に必ず共通する「1つのダメな行動」Photo: Adobe Stock

「何に使いすぎたんだろう」と毎月悩んでいる人たち

 お金を何に使ったのかについて、毎月のように頭を悩ませる悪い習慣はそろそろやめよう。

 本書を読めば、あなたは投資や貯蓄、好きなことにお金を使えるようになるだろう。

 本書の目的は、あなたに細かい予算を立てさせることではない。

 私は予算が好きではない。「予算を立てる」というのは、人類の歴史の中で最悪の言葉だ。

「予算を立てましょう!」というのは、パーソナル・ファイナンスの専門家が提供しがちな無意味なアドバイスだ。

 普通の人は予算を推奨する本や記事を目にすると、生気を失う。

 誰がいちいち細かく支出を把握したいのだろうか?

 中には実際に挑戦する珍しい人もいるが、1セント単位で支出を把握することは恐ろしく手間がかかるため、2日ほどであきらめるのがオチだ。

 過去50年以上もの間、予算はパーソナル・ファイナンスの専門家にとってまさに戦場だった。

 予算を立てることが論理的に正しく思えるという理由だけで、彼らは支出を細かく把握することを万人に強要した。

 ただ、そこには1つだけ問題があった。誰ひとり実行に移さないのだ。

 お金を使わずに貯蓄に回そうと推奨したところで、ほとんどの人は何から手をつけていいのかわからない。

 予算がうまくいかないことは、すでに歴史が証明している。

 予算についてはきっぱりと忘れてしまおう。その代わりに「意識的支出プラン」を作成しよう。

ラミット・セティ Ramit Sethi

ウェブサイト「I Will Teach You To Be Rich」を運営し、お金やビジネス、心理学について幅広い読者に向けて情報を発信している。これまでにThe New York Times、Fortune、The Wall Street Journalなど多くの経済メディアで取り上げられてきた。スタンフォード大学でテクノロジーと心理学を学び、現在は妻とニューヨークに住んでいる。2023年4月より、Netflixでラミット・セティを特集した『ハウ・トゥー・ゲット・リッチ』が全世界に配信。