アイデアが思いつかない」「企画が通らない」「頑張っても成果が出ない」と悩む方は多くいます。その悩みを解決するために「個人のセンス」も「やみくもな努力」も必要ありません。人に認められている「優れたアイデア」から自分の脳内に「再現性のある回路」をつくればいいのです。『発想の回路 人を動かすアイデアがラクに生まれる仕組み』の著者、クリエイティブディレクター中川諒氏による「いつも結果を出す人」の秘伝の思考技術を紹介します。

「アイデアに価値はない」と思う人ほど、うまくいく理由Photo: Adobe Stock

アイデアは表現しないと妄想で終わる

自分のアイデアを大切にしてください。

アイデアを出すというのは大変なことです。

だからこそ大切にしてください。

大切にするというのは、誰にも盗られないように、頭の金庫に鍵をかけてしまっておくことではありません。

アイデアを「自分のもの」にするためには、アイデアを世に出すことです。

自分の外に出すことは、あなたのアイデアがこの世に存在した証明となります。
アイデアは実現させないと妄想で終わってしまうのです。

あえて言いましょう。アイデアそのものに価値はありません。

アイデアは、個人の思いつきでいいわけですから。実行しなければ価値が生まれないのです。たとえば履歴書に書けるのは、あなたの考えではなくあなたがやってきたことです。やったことは考えたことの証拠です。

「アイデアを実現する」とは、アイデアを成功させるという意味ではありません。
本書で紹介する「工夫の4K」を使い、思いつくことを全部やってみてください。

大体のことははじめからうまくいきません。安心してください。うまくいかなくて結構。それが次の工夫のチャンスです。

世に出すアイデアは、完成していなくていいのです。

「思いつき」ではじまったものは、形を変えていきます。

思いつきをそのままカタチにしようとするから、「アイデアが煮詰まるまで」という言葉が出てきてしまい、結局は自分の頭の中で終わってしまうのです。

最初は解像度が低かったとしても、実現させることが決まれば、必然的に解像度は上がっていきます。アイデアはあくまで出発点。たとえば、この本も最初のアイデアは全く違うものでした。ここだけの話。

そもそも、わたしたちが思いつくようなことは、すでに何人もの人が考えています。

だからこそ急いでください。早く世の中に出した人が、そのアイデアを自分のものにできます。

(本記事は中川諒著『発想の回路 人を動かすアイデアがラクに生まれる仕組み』から抜粋し、一部を改変・編集したものです)