日経平均がバブル後最高値を更新した。だが、「将来のお金の問題が不安だ」「投資が大切だと漠然とわかっているが、なかなか行動に踏み切れない」「貯金や投資を始めてはみたものの、自分の方法が正しいかどうか確信が持てない」──そんな悩みを抱えていないだろうか? そんな人に朗報がある。
全世界300万部突破『サイコロジー・オブ・マネー』著者モーガン・ハウセルが「絶対読むべき一冊」。全世界1000万部突破『Atomic Habits』著者ジェームズ・クリアーが「お金に関する価値ある知恵と実践的なアドバイスが満載」と評した一冊がついに日本上陸。
全米ベストセラー『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』だ。
全米屈指のデータサイエンティストによる、お金を貯め、富を築くための証明済の方法を初公開。本稿では、本書から一部を抜粋・編集しながら、「どのくらい貯金すればいいか」について見ていこう。

あなたはすでに、貯金しすぎている可能性がある理由Photo: Adobe Stock

あなたはすでに
貯金しすぎている可能性がある!

 私は今回の書籍を執筆するにあたり、過去100年以上にも及ぶ信頼性の高いデータを調べた。

 数々のデータを掘り下げていくと、世の中の「貯金」に関する常識とはまったく別のストーリーが見えてくる――あなたはすでに、貯金しすぎている可能性があるのだ。

 引退して年金生活を始めたばかりの人にとって大きな心配事は、お金を使いすぎて老後資金がなくなってしまうことだ。

 しかし実際には、それとは逆の事実を示す圧倒的なデータがある――つまり、年金受給者はむしろ十分にお金を使いきれていないのだ。

テキサス工科大学の研究

 テキサス工科大学の研究によれば、

「年金受給者の資産は、老後生活期間中に使い果たされるより、変化しないか、むしろ増えている」。

 これは年金受給者の多くの支出が、社会保障や年金、投資から得られる収入よりも少ないことが原因であるという。

 つまり年金受給者は資産を切り崩すことなく、資産が増えていくのを眺めているのだ。

 これは、一定の年齢に達した年金受給者に資産の一部を売却することを強制する「Required Minimum Distribution rules/RMDs(最低引き出し額ルール)」という米国特有の規則があるにもかかわらずである。

 この研究では、「これは年金受給者が政府から求められた資産の売却によって得た利益を、他の金融資産に再投資している証拠である」と結論づけている。

7人に1人前後しかいない

 米国で1年間に資産を減らした年金受給者の割合はどれくらいだと思うだろうか?

 なんと、7人に1人前後しかいないのである。

 インベストメント&ウェルスインスティテュート社は、

「資産レベルを問わず、年金受給者の大部分は、元本を取り崩さず、投資による収益分以下しか資産を引き出していない(金融資産の収益分のみしか引き出していない割合は58%、金融資産を含む全資産の収益分のみしか引き出していない割合は26%)。元本を取り崩しているのは、わずか14%にすぎない」

 と報告している。

 その結果、相続人は多額の遺産を手にすることになる。

 次回、具体的なデータを見ながらさらに説明してみたい。

(本稿は『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』の一部を抜粋・編集したものです)