夫が収入の柱、妻はパート勤めをしながら家計管理。3人の子どもたちの成長に伴い教育費がかさむようになり、いつも家計は赤字で貯金はゼロ……。「家計改善したい」と言いつつ実行に移せない妻の事情とは?(家計再生コンサルタント 横山光昭)
家計改善、実行に移せないのは誰のため?
家計を改善したい、と言う人は多いですが、実際に改善できるかどうかは実行力によります。家計は考えているだけで変化することはなく、何かしら変化を起こすこと、“実行”することが何より大切だからです。
家計を変えたくても「実行できない」という人は、結構多くいらっしゃいます。何だかんだと自分がなかなか行動を起こせていないわけですが、その理由は「今の生活でも何とかなっているから(実際には、何とかなっていないケースもある)」という気持ちが根底にあるためです。その上で「何が障害なのですか?」と踏み込んで聞いてみると、子どもや夫のため、両親のためなど、自分以外の誰かを挙げ、その人の状況を変化させてはいけないから、と考えているケースを見かけます。しかしそれは、本当にその人のためになっているのか、その人のことをきちんと考えているのか、と疑問に思うこともあります。
子ども3人の40代夫婦、年々教育費がかさむように
「家計が毎月赤字。子どもを不自由なく育てるために、やりくりを見直したい」と、家計相談に来られたのは、パート勤めで兼業主婦のRさん(44)。長男が私立高校に入学したのをきっかけに教育費が増えてしまい、支出をコントロールするために家計簿を付けてみが長続きしない。自分だけではどうにもできないということで、相談に来られました。
会社員の夫(48)は家計に関心が薄く、Rさん一人で家計管理をしています。子どもが大きくなるにつれて教育費が増えましたが、「そんなものだ」と思ってきたそうです。支出は教育費中心に考えるようになり、今では私立高校2年の長男、公立中学2年の長女、小学6年生の次女の学校納入金や塾、習い事といった教育費に、月15万円ほどかかるようになってしまいました。