頑張っても成果が出ない」「思うように考えがまとまらない」「他人からいつも評価されない」と悩む方は多くいます。その悩みを解決するために「個人のセンス」も「やみくもな努力」も必要ありません。人に認められている「優れた考え」から自分の脳内に「再現性のある回路」をつくればいいのです。『発想の回路 人を動かすアイデアがラクに生まれる仕組み』の著者、クリエイティブディレクター中川諒氏による「いつも結果を出す人」の秘伝の思考技術を紹介します。

頭のいい人が絶対口にしない、思考を停止させるNGワードPhoto: Adobe Stock

「興味がない」の一言が思考を停止させる

残念ながら、自分を前に進めていけるのは自分しかいません。

白馬の王子さまは待っていてもやってこないのです。

わたしたちは、自分の人生という道で、車を運転しているようなものです

まさに「人生ゲーム」のように、横にパートナーが乗ってくれたり、子どもが増えたりはしますが、結局車のハンドルを握るのも前に進めるのも自分です。

自分で自分を前に進めるということは、自分で自分の背中を押すということです。

英語では、“Pushing myself forward”という言葉があります。

そしてそれは、自分で自分の機嫌をとるということでもあります。

自分の興味がどこにあるのか理解し、どうすれば自分が機嫌良く取り組むことができるのか工夫することが必要です。

どう刺激すれば自分は前に進みやすいのか、逆にどういう状態にあると自分は前に進みにくいのかという原理を理解していると、自分自身のハンドル操作がラクになります。

わたしが全く興味のなかったバイクの仕事と向き合えるようになったのは、バイクを趣味にしようと決めたからでした。

ファーストバイクとしては珍しいフルカスタムでバイクをオーダーするところからはじめたのは、折角なら他の人と同じものには乗りたくない、違う方が嬉しいという自分のエンジンを理解しているからです。

わたしが自分で本を書くのは、自分自身が若いときにキャリアを含め色々なことがうまくいかず、「もっと早く誰かに教えて貰えばよかった」と思うことがたくさんあったからです。

「自分と同じような苦しみを誰かに味わって欲しくない」というエンジンに火をくべて走っているのです。

「興味がない」この発言をした瞬間にわたしたちの思考は完全に停止してしまいます。

目の前のことに興味がもてないと、工夫をする余地が完全になくなってしまうのです。

どうやったら目の前のことに興味をもてるようになるかを工夫することで、思っていなかった道が開けてきます。

どうやったら自分の機嫌をとれるか、モチベーションを発揮できるかという工夫をすることで、走るのをためらうような道でもわたしたちは前に進んでいくことができます。

自分の興味というエンジンをどう刺激して、自分の舵をとっていけるかで進む道は変わるのです。

(本記事は中川諒著『発想の回路 人を動かすアイデアがラクに生まれる仕組み』から抜粋し、一部を改変・編集したものです)