ChatGPTを使って、自分の業務に関連する英語のチャンク(語彙や表現)を効率良く集める方法を紹介する。(パタプライングリッシュ教材開発者 松尾光治)
ChatGPTフル活用で英語業務がラクになる!
「TOEICが満点でも英語が話せるわけではない」という事実は常識化しつつある。読み書きの面でも、TOEICで高得点を取ったからといって、すぐにバリバリと英語で業務をこなせるわけではないことは多くの人が痛感しているだろう。
当然ながら、業務に特化した語彙や表現を習得しない限り、仕事における英語力向上には直結しない。TOEICで扱う語彙や表現は、一般事務がなんとかこなせるレベルでしかない。
部署内にそうした英語のデータベースがなければ、自分が携わる分野の語彙を、市販教材または業務関連のあらゆる資料、英語話者の同僚との会話などから、コツコツと集めていくしか方法はない。業務内容が高度で専門的になるほど、市販教材の選択肢は少なくなる。
ところが、こうした状況を打破する頼もしい味方が現れた。ChatGPTだ。そこで今回はChatGPTを使って、自分の業務に関連するチャンク(語彙や表現)を効率良く集める方法を紹介する。
チャンクで学ぶことの重要性
ChatGPTを使ったノウハウをお伝えする前に、集めるのはなぜ「単語」ではなく、「チャンク」としたのかを説明しておく。その理由は、単語一語単位で知識をいくら増やしても、実践に結び付きにくいからだ。
一つの単語をスピーキングやライティングで使うには、その単語と共に使われがちな別の単語との組み合わせ(コロケーション)や、その単語を含んだ自然な言葉遣いなどの知識が肝心だ。これを知らずにその単語を使って何か言おうとすると、日本語の文をそのまま英語に直訳したような、奇妙で分かりにくい英文となる可能性が非常に高い。
チャンクは、こうしたコロケーションや自然な言葉遣いで作られている2語~8語程度でなる意味のカタマリだ。単語はチャンクの一部として覚えることで、初めて「使える知識」となるのである。
では、いよいよChatGPT活用の実践に入ろう。筆者がこの記事を書きながら実際に行ったプロセスをお伝えする。
今回は都合上、プロンプト(ChatGPTにする質問文や依頼文)は日本語を使うが、より精度の高い情報を得るには英語のほうがいい。日英どちらで質問するかによって、答えの内容が微妙に異なることもある。筆者がここで使う日本語を参考に、必要ならば「DeepL翻訳」などで英語に訳してプロンプトを作ることをお勧めする。
以下の3つが具体的な手順だ。
1.チャンクを作らせる
2.架空の会話を作らせる
3.出力された英文の難易度の調整