インフレ・円安の時代に入った今、資産を預金だけで持つことはリスクがあり、おすすめできない。「先行き不透明な時代」には、これまで投資に無縁だった人も資産を守り・育てるために資産運用を始める必要がある。『このままではあなたの現金の価値が下がる! インフレ・円安からお金を守る最強の投資』(朝倉智也著、ダイヤモンド社)が発売された。本書は、投信業界のご意見番が新しい時代を乗り切る「究極の運用法」をアドバイスするお金の入門書。大切なお金を守り増やすためには、どうすればいいのか? 本連載では、特別に本書から一部を抜粋・編集してその要旨をお伝えしていく。

【投資のプロが教える】積極運用するポートフォリオをアクティブファンドで構築するPhoto: Adobe Stock

インデックスファンドをベースにしながら
アクティブファンドで積極運用のポートフォリオを築く

 ここまでにご紹介した資産管理法は、非常にシンプルで、どんな方にも活用いただけるものです。

 しかし読者の皆さんの中には、「せっかくならもう少し投資を楽しみたい」「アクティブファンドへの投資にもチャレンジしてみたい」という方もいらっしゃるでしょう。

 優れたパフォーマンスを上げているアクティブファンドを組み合わせて運用するのは、面白いものですし、実際、私もインデックスファンドでの運用をベースにしながらアクティブファンドを組み合わせて自分のお金を運用しています。

 そこで、ここからは「こだわりたい方」に向け、ポートフォリオに組み入れてもよいと評価できる9本のアクティブファンドを紹介し、具体的なポートフォリオ構築法までお伝えしたいと思います。

これからの成長が期待できる
中小型株や新興国へ投資する

 ちなみに、アクティブファンドを組み入れるだけのメリットが期待できるのは、株式ファンドです。

 アクティブ運用の株式ファンドを活用すれば、これから成長が期待できる中小型株や新興国への投資割合を高めるといった工夫ができますし、実際に小型株ファンドや新興国ファンドの中にはパフォーマンスが良好なものが見られるからです。

 一方、債券ファンドについては、アクティブファンドを組み入れるメリットは薄いと言えます。

 もともと債券ファンドはリスク・リターンが相対的に低いという特徴があり、信託報酬がどうしても高くなるアクティブファンドでは、コスト控除後のパフォーマンスは上げづらいからです。債券ファンドについては、コストを抑えられるインデックスファンド一択でよいでしょう。

(※本稿は『インフレ・円安からお金を守る最強の投資』の一部を抜粋・編集したものです)

朝倉智也(あさくら・ともや)
SBIグローバルアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長
1966年生まれ。1989年慶應義塾大学文学部卒。銀行、証券会社にて資産運用助言業務に従事した後、1995年米国イリノイ大学経営学修士号(MBA)取得。同年、ソフトバンク株式会社財務部にて資金調達・資金運用全般、子会社の設立、および上場準備を担当。1998年モーニングスター株式会社(現 SBIグローバルアセットマネジメント株式会社)設立に参画し、以来、常に中立的・客観的な投資情報の提供を行い、個人投資家の的確な資産形成に努める。SBIホールディングス株式会社 取締役副社長を兼務し、SBIグループ全体の資産運用事業を管掌する。主な著書に『全面改訂 投資信託選びでいちばん知りたいこと』『改訂新版 ETFはこの7本を買いなさい』『一生モノのファイナンス入門』(以上、ダイヤモンド社)、『「iDeCo」で自分年金をつくる』(祥伝社新書)、『お金の未来年表』(SB新書)などがある。