ホワイトハウスがインドのナレンドラ・モディ首相のために22日に催した公式晩さん会は、多くの象徴的な意味を持つ。モディ氏はグジャラート州首相時代に州内で発生した反ムスリム暴動を理由に2005~2014年に米国への入国を拒否されたが、今回は自由世界のリーダーから手厚く歓待されている。米政府がモディ氏を盛大に歓迎したことで、米国とインドの関係を巡る議論は決着したかに見える。つまり、中国に対する懸念をインドと共有することは、インドの民主化後退への不安よりも重要だということだ。しかし、この外交上の成果は長続きするものだろうか。インドはモディ首相の下で、野党指導者のラフル・ガンジー氏を議会から追放したり、同首相を批判するドキュメンタリー番組を英国で放送した英国放送協会(BBC)に対して、税務当局が家宅捜索して圧力をかけたり、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領によるウクライナ侵攻への非難を断固として拒否したりしている。このドキュメンタリー番組はインドでは放送禁止になった。それにもかかわらず、インドは世界最多の人口、世界第2位の兵力を持つ軍隊と世界第5位の経済を抱えており、大きすぎて無視できない、地政学的に価値ある存在であり続けている。