リニューアルから5カ月で収益化を達成

 ちなみに、現在は有隣堂でもキムワイプを扱っており、おかげさまでとても人気のある商品のひとつになっています。

 その後は自社で扱っている商品を紹介していくことも増えましたが、現在でも取り扱いのない商品を紹介することのほうが多いくらいで、さらに言うと撮影の時点で取り扱いの有無を気にすることはほとんどないのです。そういった意味で、この第1回の動画が私たちのYouTubeが進むべき方向性を示してくれたことは間違いありません。

 初回の〈キムワイプの世界〉を投稿するとすぐに、リニューアルの手ごたえを感じました。

 まずそれは数字として表れました。一週間の再生回数が1437回と、これまでとは全く違ったのです。リニューアル前最後の動画の再生回数がわずか42回だったこともあり、現場は色めき立ちました。比較すると、実に30倍以上です。

 現在の平均値(10万回程度)とは比較にならない数字ですが、確実に私たちの動画を見てもらえていることを実感しました。

 ちなみに2022年12月時点で、〈キムワイプの世界〉は、約42万回再生されています。

 YouTubeのリニューアルに際して、私たちは具体的な数値目標を立てていました。

 YouTubeは、登録者数1000人、1年間の総再生時間が4000時間を超えると収益を得られるようになります。収益手段には様々ありますが、主なものが広告収益です。

 2020年内にこの数字を達成すること。それがリニューアル時の最初の目標でした。

 2020年6月にリニューアルを実施し、この目標を達成したのは11月。当初考えていた期限より1カ月早く、目標にしていた収益化をクリアしたのです。

ネットメディアで絶賛され、登録者数1万人突破へ

 そして右肩上がりの登録者数に比例するように、私たちのモチベーションもぐんぐん上がっていきました。すぐさま次の目標を登録者数「1万人」に設定し、それがクリアできると今度は登録者数「10万人」を目指す、というように徐々にステップアップしながらPDCA(Plan計画、Do実行、Check評価、Action改善)を回して、目標を設定していくことになります。

 こうした仕事のやり方は、これまでも必要性を感じてはいたものの、日頃の業務に組み込むことが難しく、なかなか実行できていなかったことでもありました。その点、YouTubeは登録者数や再生回数が目に見えてわかるので、目標を立てやすく、検証もしやすいのです。

 登録者数は、徐々に、いわば順調に伸びていった局面と、停滞が続いた局面があります。とりわけ、この1万人、10万人という節目の壁を破るには、きっかけとなる“何か”が必要でした。

 収益化の達成以降も、苦しみながら企画を練り、投稿を重ねることで、登録者数は徐々に増えていきました。けれど、1万人到達はまだまだ先だなと感じていたのです。

 ところが、2021年2月に、急激に登録者数が増えはじめます。いったい何が起きたの?と、事態を把握できず、あたふたしながら要因を探ったところ、ニュースサイトの「ねとらぼ」に取り上げられたことがわかりました。ねとらぼのライターさんが、私たちのYouTubeを見て記事を書いてくださったのです。

 記事のタイトルは、〈「ぶっちゃけAmazonで買った方が安くない?」大手書店チェーン・有隣堂のYouTubeチャンネルが正直すぎて面白い〉というものでした。

 ねとらぼさんの読者と、うちのチャンネルの性質があっていたのでしょう。そこから一気に登録者数が伸びて、あっという間に、1万人を達成しました。

 これは思いがけない出来事で、本当にありがたいと思いましたし、何より、こうやって面白がって見てくださっている方がいることにとても勇気づけられました。

 棚ぼた的な展開ではありましたが、この経験により、今いる場所から大きくステップアップするためには、地道な努力と同時に、何らかの外部的要因も必要だということに気がついたのです。